AT THE CARD TABLE

カード・マジックの技法


第3回

カット

 

1999/12/6


デックを二つに分けて、上下を入れ替える動作を「カット」"Cut"と言います。

これはマジックだけではなく、一般的なカードゲームのときも必ず行います。誰かがカードをシャッフルしたら、それを右隣の人の前に置いて「カット」してもらいます。不正防止のための儀式のようなものです。

<カット>"Cut"

先ほどもふれたように、カットを行う状況はゲームのときもマジックのときもあります。基本的には同じですので、カードのシャッフルが終わったところから説明します。

写真1
写真【1】

1.今、カードをシャッフルし終わったところです。デックを裏向きのまま、右隣の人の前に置きます。横向きに置いてください。置かれた人は上の写真【1】のように、右手でデックの上半分くらいを持ち上げ、10センチから20センチ程度前方に、持ち上げたパケットをテーブルの上に置きます。(下の写真【2】)

写真2
写真【2】

2.手前に残っている下半分を右手で取り上げ、先ほど置いたパケットの上に重ねてしまいます。これで下半分と上半分が中央あたりで入れ替わったことになります。

3.以上の動作を右隣の人にやってもらったら、シャッフルをした人はデックを右手で「エンド・グリップ」で取り上げ、ディーリングポジションに持ちカードを配り始めます。

「カット」は技法と呼ぶようなものではありませんが、マジックでも頻繁に出てきますので覚えておいてください。


<マジックで「カット」をしてもらうとき>

カードマジックの場面でも、観客に「カット」をしてもらうことがあります。観客の前にデックを置いて「カットしてください」と言ったとしても、一般の人には「カット」という意味はわからないと思います。

「カット」は先ほどのように、分けた上半分の上に下半分を乗せるところまでおこなってはじめて「カット」と言うのですが、マジックで「カット」をしてもらうとき、上半分を持ち上げてもらい、それをテーブルの上に置いてもらったらそれでよい場合もあります。つまり下半分は重ねないで、半分に分けた二つのパケットがテーブルの上にある状態で次の操作に移ることがあります。

このようなこともありますから、一般の人に指示するときは、私は次のようにしています。

1.「トランプを半分くらい持ち上げてください」 と指示します。

 このとき、観客が半分くらい持ち上げるまで見ています。

2.持ち上げたのを確認したら、テーブルの適当な場所を指さし、「ここに置いてください」と指示します。

「1」で、観客が持ち上げるのを確認してから、場所を指示するのはとても大切なことです。これを「カードを半分くらい持ち上げて、ここに置いてください」と一度に言ってしまうとまずいことが起きる可能性があります。たとえばカードを半分ほど置いてから、枚数が少ないと思うと、勝手に下半分からさらに何枚かを取り上げ、追加する人がいます。このようなことをされても何も問題のないこともありますが、マジックによっては都合の悪いこともあるのです。先のように2段に分けて指示を出せばそれが防げます。

3.下半分を上半分の上に重ねてもらうのであれば、残っている下半分を指さし、「それを全部持ち上げてください」と指示します。ここでも観客が全部持ち上げたのを確認してから、上半分のパケットを指さし、「この上にそれを全部重ねてください」と言います。ここでも先ほどと同じで、残っている下半分を観客が全部持ち上げたのを確認するまで次の動作を言ってはいけません。全部持ち上げてから、重ねるように指示します。これで完全なカットをしたのと同じ状態になります。

カットのような簡単な動作で、今のように分けて指示をすることの重要性が初心者の方にはわからないと思いますが、何度かこのような動作を観客にやってもらうと、こちらにとって少々まずい動作を観客がすることが少なくないとわかると思います。

起こり得るトラブルを予測して、それを防ぐために細心の気配りができるようになると、マジックで失敗する率はぐっと減ってきます。


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