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Stars of MAGIC

書 名:STARS OF MAGIC
編 者:GEORGE STARKE
初 版:1961年
発売元:TANNEN MAGIC
ページ数:168ページ

価 格:$25.00
分 類:Close Up Magic


最初に

名前のとおり、まさにきら星のようなマジックを集めた本です。

これは最初、1冊の本として出版されたのではなく、マジシャン別に、2,3のトリックが解説された10ページ程度のパンフレットとして売り出されました。企画、編集はニューヨークの判事であり、アマチュア・マジシャンであったジョージ・スタークです。1945年から1952年にかけて出版されました。そのときの値段は平均3ドル、一番高いのはマリニのトリックを解説したもので10ドルでした。当時の10ドルというのは、日本円で3,600円。大卒の初任給が1万円程度の時代ですから、今なら数万円という感じでしょう。
これを1961年にルイス・タネンが一冊にまとめ、合本として販売しました。そのとき、最後の2つの章が付け加えられました。

当時、第一線で活躍していたプロ・マジシャン、アマチュア・マジシャンの中から、彼らの得意としているマジックを選び、まさにベスト・オブ・ベストとも言って良いようなトリックを厳選しています。

クロース・アップ・マジックに限定すれば、今までに世界中でに出版されたすべての本の中で間違いなくベスト・スリーに入ります。これが出て、もうすでに50年ほど経ちますが、色あせることなく、今でもきちんと演じることができれば超1級のマジックであることに変わりはありません。この中の大半が、今ではクラシックとしての地位も確立しており、その後発表された数多くのヴァリエーションを集めれば、たちまちオリジナルの数倍の厚さになる本ができてしまうくらい影響力を持っていました。今も昔も、マジックを本格的に勉強したい人にとっては必読書のひとつです。このあたりの知識がごそっと抜け落ちていると、いくら最新のマジックだけ数多く知っていてもバランスがわるいのです。

ここに解説されているトリックは、昨日今日思いついたものや、売るために無理矢理ディーラズ・アイテム(売りネタ)にしたものなどひとつもありません。みんな実際に演じられていたものばかりです。この中の二、三のトリックをマスターして一般の人に見せたら、たちまち「マジックの大名人」と言われることは間違いありません。今思っても、よくこれだけすばらしいトリックを集めたものと感心します。

 


内容を紹介しましょう (一部、リンクのあるものは詳しい解説があります)

Series No.1

JOHN SCARNE(ジョン・スカーニー)

1. Classic Ball Routine(3個のボールを使った移動現象)
2. Triple Coincidence(二組のトランプを使った一致現象)
3. Silver and Copper Trick(観客の手を使った銀貨と銅貨の移動現象)

Series No.2

DAI VERNON(ダイ・ヴァーノン)

1. Triumph(裏と表をごちゃ混ぜにしたトランプが一瞬して向きがそろう)
2. Cutting the Aces(片腕のギャンブラーのストーリーが付いたカードマジック)
3. Spellbound(指先に持ったコインをこするだけで変化する)
4. Kangaroo Coins(4枚のコインがテーブルを通り抜ける)

Series No.3

BERT ALLERTON(バート・アラートン)

1. Pump Room Phantasy(4枚のエースの位置がデックの中でビジュアルに入れ替わる)
2. Bamboozle(お札を使った両替詐欺のようなルーティン)

S. LEO HOROWITZ(レオ・ホロウィッツ)

3. Chink a Chink(テーブルの上に置いた角砂糖が移動する)
4. Egyptian Ball Mystery(赤いボールと白いボールが入れ替わる) JARROW(ジャロー)
5. Hanky Panky(ハンカチに火のついたタバコを押しあて貫通させるがハンカチは元のまま)

Series No.4

FRANCIS CARLYLE(フランシス・カーライル)


1. Decapitation(紙マッチを使った即席マジック)
2. Homing Card(観客のトランプがマジシャンのポケットから出てくる)
3. Wrist Watch Steal(コインマジックを見せている間に、観客の時計をスティールする)

Series No.5

DAI VERNON(ダイ・ヴァーノン)

1. Impromptu Cups and Balls(ガラスのコップに新聞紙でカヴァーしておこなう即席のカップ・アンド・ボール)
2. Ambitious Card(デックの中に入れたトランプがいつの間に一番上から現れる)
3. Mental Card Miracle(5枚のトランプの中かから、観客に1枚だけ心の中で思ってもらう。それだけがポケットから出現する)

Series No.6

DAI VERNON(ダイ・ヴァーノン)

1. Ring on the Wand(マジック・ウォンドと観客の指輪を使ったマジック)
2. Slow Motion 4 Aces(4枚のエースが一枚ずつ集まる)
3. The Travellers(4枚のエースが、マジシャンの4つのポケットに移動する)

Series No.7

DR. JACOB DALEY(ジェイコブ・ダレイ)

1. Cards up the sleeve(10枚のトランプが袖を通り抜けて移動する)
2. The Itinerant Pasteboards(ポケットのトランプとデックのトランプが入れ替わる)
3. The Cavorting Aces(赤いエースと黒いエースがデックの中で入れ替わる)

Series No.8

SLYDINI(スライディーニー)

1. Cigarette Miracle(観客からタバコを1本もらい、火をつけ、ちょっと吸った後、中央から二つに切断する。それがまた完全に復活する)
2. Flight of the Paper Balls(観客に一人助手として前に出てきてもらう。ティッシュペーパーを丸めたものを観客の目の前で消すが、助手の観客以外は全員タネがわかる)
3. Flyaway Coin Routine(観客の目の前で消したコインがマジシャンや観客自身のポケットから出現する)

Series No.9

ROSS BERTRAM(ロス・バートラム)

1. Coin Magic(コイン・アセンブリー他、数種類のコインマジックを解説)

Series No.10

VERNON on LEIPZIG(ライプチッヒ)

1. Leipzig's Opener(いつも最初に演じていたカードマジック)
2. Leipzig's Pride(数枚のコインが観客の手の甲を貫通する)
3. Leipzig's Tear-Up with a Twist (シガレットペーパの復活)

Series No.11

VERNON on MALINI(マリニ)

1. Malini's Card Stabbing(目隠しをして、観客のカードを突き刺す)
2. Malini's Own Color Change(トランプの表面をなでるだけで変化する)
3. Malini's Favorite(コインの完全消失)

Lesson 1- DAI VERNON

Royal Monte(ロイヤル・フラッシュが4枚の10に変化する)

Lesson 1- SLYDINI

The Art of Using the Lap as a Servante(ラッピングにおける基本的なミスディレクションの使い方)

魔法都市の住人 マジェイア

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