「3枚のカード」解説

 

1999/3/3


解説

(1).準備として、一組のトランプから2枚のトランプを抜き出し、2枚を同じ向きに重ねて、上着の右ポケットに入れておきます。この2枚は何でもよいのですが、もしジョーカーが2枚あるのでしたら、それでもかまいません。

ポケットに入れるとき、2枚とも、トランプの「表」(数字が印刷されている面)が、体のほうを向くようにしておきます。そして、横向きになるようにしておきます。縦に入れるのではなく、トランプの長い縁が、ポケットの底につくようにします。

(2).観客にトランプを渡して、適当に3枚のトランプを抜き出してもらいます。このとき、「現象」にもあったように、同じ数字のトランプは避けてもらいます。

今、仮にテーブルの上に抜き出されたトランプは、「ダイヤの2」、「ハートの5」、[スペードのK」とします。

残りのトランプは揃えて、マジシャンの前に「裏向き」で置きます。

(3).心の中で一枚決めてもらったら、マジシャンは3枚のトランプを集めますが、このとき、3枚の中で一番数字の小さいトランプをまず最初に取り上げます。この場合でしたら「2」のトランプです。それを表向きのまま取り上げ、次にこの「2」で「5」のトランプをすくい取ります。「2」が下になり、「5」が上になるようにして、2枚を持ちます。さらに、その2枚で、「K」もすくい取ります。

今、上から表向きに「K」、「5」、「2」の順になっています。

この動作は、ただトランプを何げなく集めただけですので、集める順番のことなど、まったくどうでもよいという雰囲気でおこなってください。

(4).3枚のトランプをポケットに入れますが、これも「表」が体のほうを向くように入れます。先に入っている2枚とちがうのは、「縦」にして、そして、先の2枚より、「外側」になるように入れます。これは重要ですので、気をつけてください。

ポケットの一番外側に近い部分にあるのが「2」のトランプです。真ん中が「5」で、その手前が「K」です。マジシャンはこの順番を覚えておく必要がありますが、小さい数字から順に並んでいますので、心の中で2,3回、「2,5,K。2,5,K」とでも唱えれば覚えてしまいます。

(5).観客に、心の中で決めたトランプを強く思ってもらいます。

マジシャンは、「これではないと思う」と言いながら、1枚目のトランプをポケットから抜き出しますが、この1枚は、最初から入れておいた2枚のうちの1枚です。どちらでもかまいません。気をつけるのは、「これではない」と抜き出すとき、絶対、「表」が観客には見えないように注意してください。このとき、ちらっと自分だけ表を確認するようにトランプの表を見る動作をしてください。迷っている風な演出を付け加えてもよいでしょう。

とにかく1枚抜き出したら、それは裏向きのまま、表を見せないで、マジシャンの前に置いてあるトランプの山の一番上に置きます。

2枚目も同じようにポケットから抜き出します。最初に入れておいた2枚のトランプの、残りのものです。「これもちがう」といいながら、表を見せることなく、山の上に裏向きに戻します。

観客は、マジシャンのポケットに最初から2枚、前もってもトランプが入っていたことなど知りませんので、今、ポケットから取り出した2枚は、観客が抜き出した3枚のトランプに含まれていた2枚だと思っています。そのため、ポケットには、あと1枚しかトランプは残っていないと思っています。しかし、実際は、助手の人が抜き出した3枚はまだポケットに残っています。

(6).2枚ポケットから抜き出したら、ここで観客に、心で思ってもらったトランプの名前を言ってもらいます。

仮に、「ダイヤの2」と言ったとします。マジシャンはポケットに手を入れ、「2」のトランプは一番外側にありますから、それをゆっくりと取り出します。ただし、まだ表は見せないでください。

そのトランプを右手持ったまま、助手の人の顔を見てから、ゆっくりと手に持っているトランプを表向きにします。観客から、「エーーーーッ」とか、「ウッソー」とか言った声があがれば成功です。

(7).観客が驚いている間に、マジシャンは前に置いてあるトランプの山を取り上げ、軽くシャッフル(トランプを切り混ぜること)します。これは、山の一番上にある2枚は、先ほどの3枚とは関係のないトランプですから、それを見られるのを防ぐためです。

このような動作は、何げなくやればよいのです。初心者の人は、山の上のトランプを見つけられたら大変と思う余り、あわててトランプを切り混ぜますが、そのようなことをすると、観客はかえって怪しいと感じます。アル・ベーカーの言葉、「追いかけられてもいないのに逃げてはいけない」を思い出してください。

★実際に演じるときの注意点。

チェックポイント1

先ほどは、「2」が選ばれたとして解説しましたが、他のトランプでも同じです。「2」や「K」のときは、一番外側か内側ですから、取り出すのもすぐにつかめますが、真ん中の「5」が選ばれたとき、モタモタしないように何度か練習しておいてください。

初心者の方は、このようなところを練習しないので、ポケットから取り出すとモタモタしたり、ちがうトランプを取り出してしまったりして、失敗するのです。このマジックは指先のテクニックは一切不要ですが、演出やセリフ、ポケットから取り出すとき、迷わないですぐに取り出せるようにする練習は必要です。

とは言え、ポケットから取り出す練習など、10分も練習すればだれでもできますから、必ずやってください。

スムースに取り出すための工夫として、いくつか考えられる方法を紹介しておきます。

1.もしポケットの中が、さらに二つに別れているようなものなら、最初から入れておく2枚と、後から入れる3枚を分けて入れる。

2.厚紙を切って、ポケットの中に入れ、仕切を作る。

3.後から入れた3枚は、入れるとき、少しずらせて入れておく。(広げた状態で)こうすると、3枚が重なっていないので、取り出しやすい。

★繰り返しますが、初心者の方がマジックをやったとき、すぐにばれてしまうのは、このようなところの気配りや、練習が足りないからです。最後に取り出すときもたつくのは最悪ですから、そこだけは絶対、何度も練習して、スムースに取り出せるようにしておいてください。

チェックポイント2

本当に終わるときは、もしそれがあなたのトランプなら、テーブルの上に出ているトランプをすべてケースに戻してそのまま片づけるか、ポケットにでも入れてしまってください。観客と別れた後、こっそりと、ポケットに残っている2枚をケースに戻せばよいでしょう。

チェックポイント3

このマジックは終わった時点で、ポケットには2枚のトランプが残っています。普通は、「サーストンの3原則」でも言われているように、同じマジックを2回繰り返してはいけないのですが、このマジックは2,3回繰り返しても大丈夫です。

★最後に:

タネを知ったら、なんて簡単なんだと思ったでしょうが、もしこれをMr.マリックがやれば、これだけでウン十万円のギャラが取れます。(笑)マジックというのは決してタネではなく、演出なのだということを十分理解して、一度、試してみてください。

このマジックは、同じテーブルについている数名の人に見せるのに適していますが、学校の教室程度の場所でしたら、2,30名くらいの観客を相手にしても十分見せることができます。

マジェイア記


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