「カクテル・カード」解説
1999/10/3
★解説
1.まず用意するトランプですが、できればアメリカの「バイシクル」というトランプをお薦めします。これはデパートなどで700円程度で販売されています。このマジックに適していないのは、プラスチック製のトランプです。子供向きに、アニメのキャラクターなどが印刷されているプラスチックのものがありますが、そのようなものでは、これはできません。必ず紙製のトランプを用意してください。
紙袋は、現象の紹介のところにあったような、少し幅のある袋にしてください。オフィスで使っているような、茶封筒のようなものでは封筒に厚みがありませんのでまずいのです。底が、縦、横、10センチx30センチくらいあれば問題ありません。これくらいあると、振ったときに中でトランプがよく混ざりますし、観客のトランプを見つけるのも容易になります。袋はテーブルの上に置いておきます。
2.助手になってもらう観客を一人選びます。この人には色々と手伝ってもらう必要がありますので、なるべく、こちらの言うことがすぐに理解できるくらいの人を選んでください。極端に年輩の方や小さい子供は避けてください。
助手が決まったら、トランプを一組手渡し、よく切り混ぜてもらいます。切ってもらったら、テーブルの上で、大体、五等分になるように、5つの山を作ってもらいます。分け方は、適当でよいのですが、このとき、極端に枚数の少ない山があるとまずいので、もし7,8枚以下の山があるようでしたら、多い山からそこに2,3枚移してもらって、見た目で、大体同じくらいの枚数になるようにします。しかし、このあたりはあまり神経質になる必要はありません。
3.助手の人に、今作った5つの山のうち、一つを取り上げてもらい、客席に入って行ってもらいます。適当な観客の前で止まってもらい、手に持っているトランプを裏向きに広げて、1枚、取ってもらいます。取ったトランプは、覚えてもらったら、しばらく手に持っていていもらいます。このとき、助手にもマジシャンにも見えないように注意してもらいます。
4.あと二人の観客にも同じようにします。今、A,B,Cの3名がそれぞれ、1枚ずつ、トランプを持っています。ここでいったん、助手に戻ってきてもらい、手に持っている残りのトランプを受け取ります。A,B,Cの人は、自分の取ったトランプは手に持ったままです。
テーブルの上にあった紙袋を広げて、中を観客に見せます。助手の人にも、よく中を確認してもらい、それが普通の紙袋であることを納得してもらいます。マジシャンは手に持っている十数枚のトランプを全部、紙袋の中に入れますが、この部分が、このマジックの一番重要なところです。
まずトランプの持ち方ですが、いったん、トランプを裏向きで左手に置きます。それを軽くそろえて、トランプの上下の両端を、右手の親指が手前側、他の四指が向こう側になるように持ちます。
左手で紙袋を取り上げ、右手を添えて、中を観客全員によく見えるように、少し広げて見せます。次に、右手に持っている十数枚のトランプを中に入れるのですが、トランプを持ったまま、右手を袋の中に入れます。袋の底に置く感じです。
このとき、左の写真のように、右手の親指と中指が一瞬くっつくくらいまで、トランプを曲げてしまいます。ひらがなの「つ」のような状態に、十数枚のトランプが曲がります。袋の中で手を離すと、トランプの弾力で少し戻りますが、しかし、真っ平らな状態ではなく、少し中央で折れ曲がり、「く」の字程度には曲がっているはずです。これはまっすぐなトランプと識別できればよいだけですので、あまり深く曲げる必要はありません。
曲げるときの注意としては、中央に折り目が付いてしまうくらい曲げてはいけません。先ほどの写真程度であれば、バイシクルのトランプを使っていれば、また後で伸ばせば元に戻りますから心配する必要はありません。
この曲げる動作は、右手に持っているトランプを、ただ袋の中に入れただけのように見えなければなりません。そのため、袋の中でもぞもぞしたり、ことさら意識を袋の中に向けるようなことは避けてください。観客からは、手に持っているトランプを紙袋に入れただけのように見えるのですから、このようなところでゴソゴソしてはいけません。むぞうさにやってください。時間にして、1秒か2秒程度でしょう。
5.右手を出したら、袋の口の部分を持ち、一度、マジシャンが袋を上下に振って、中でトランプを混ぜてしまいます。そして、口を閉じた状態で助手に手渡します。助手も同じように、口の部分を上から持ってらもらいます。口が閉じた状態のままです。これは中をのぞかれると、折り曲がったトランプがあることに気づかれるからです。しかし、「中をのぞかないでください」などとは言ってはいけません。「口のところをしっかり持って、今、私がしたように、袋を振って、中のトランプを混ぜてください」と頼みます。
助手が袋を、数回上下に振ったら、袋の口の部分が目の高さより上になるように持つよう、言います。これで中をのぞかれることはありません。
6.次に、この助手に袋を持ったままAの観客のところに行ってもらい、Aの人が手に持っているトランプをもう一度見て、覚えているか確認してもらってから、袋の中に入れてもらいます。このとき、助手に、袋の口をトランプが入るくらいだけ少し袋の口を開けてもらいます。
とにかく、袋に入れるとき、マジシャンには、選んだトランプが見えないように注意して、入れてもらいます。同じことをB,Cの観客にもします。
7.今、三人のトランプが袋の中に入り、十数枚のトランプと一緒に混ざっています。ここでもう一度、助手の人に袋を上下に振って、中のトランプをよく混ぜてもらいます。マジシャンは助手から袋を受け取ります。
この助手の人には、しばらく横で立っていてもらいます。
マジシャンは袋の中をのぞき込み、三枚のトランプを抜き出してきます。抜き出すトランプは、「真っ平ら」なトランプです。これは他のトランプが少し曲がっていますから、そこから平らな三枚のトランプを見つけるのは難しくありません。
一枚ずつ、三枚のトランプを袋から抜き出しますが、このとき、トランプの表が観客に絶対に見えないようにしてください。特に観客が座ってみているとき、下からの視線になりますから、そのあたりのことも意識して、抜き出してください。3枚を抜き出したら、マジシャンは3枚のトランプの表が自分のほうに向くように、扇形に広げて持ちます。
8.Aの人に向かって、先ほど取ったトランプの名前を言ってもらいます。 マジシャンは自分が持っている3枚のトランプから、そのトランプを抜き出し、観客のほうに表を向け、当たっていることを確認してもらいます。このとき、大きな会場であれば、他の観客にもよく見えるように、ゆっくりと、観客全体に見せます。
同じように、B,Cの観客のトランプも当たっていることを示します。
9.最後まで手伝ってもらった助手の人に御礼を言って、この人が席に着くのを待って、終わります。
テーブルの上には、4つの山が残っていますから、それを紙袋に全部入れてしまい、マジシャンは舞台から降ります。後でこっそり、袋の中の曲がったトランプは直しておいてください。
マジェイア記