「飛行するコイン」解説
Coins Across
2000/2/3
★解説
1. まず最初に、「サム・パーム」"Thumb Palm"という基本技法を練習します。今回、必要な技法としてはこれだけですので、しっかり練習してください。コインマジックの必須技法のひとつです。
写真1上の【写真1】を見てください。これはただ指を閉じて、手を伸ばしているだけです。
この状態で、手を返して、手のひらを見ると、親指の付け根に、10円玉が挟まれています。(下の【写真2】)マジックの専門用語で、手の中に何かをこっそり隠し持つことを「パーム」"Palm"と言います。特に、このように親指の付け根で挟む持ち方を「サム・パーム」と呼んでいます。
写真2最初は、右の手のひらをただ写真1のように伸ばしてください。このときは10円玉は挟んでいません。てのひらを上にして、左手で10円玉を持って、右手の親指の付け根に10円玉を差し込んで、写真2のような位置に10円玉を保持してください。
このとき、手を返したとき、写真1と同じようになることが必要です。
10円玉を挟んでいるときと、挟んでいないときで、同じように見えなければなりません。パームしているときとパームしていないときの状態をよく観察してください。最初は緊張のため、手に余計な力が入りますが、徐々に力を抜いて、パームしているときも、していないときも、見ただけでは自分でも区別できないようになるまで、この「保持」の仕方をまずしっかりマスターすることが大切です。
2.先ほどは「保持」の練習ですから、左手を使って、右手の親指の付け根に10円玉を挟みましたが、実際には片手でこの位置に持ってきます。この位置に10円玉を持ってくる方法を練習しましょう。
写真3【写真3】のように右手の指先に1枚の10円硬貨を置きます。実際は、人差し指の先(腹の部分)に10円硬貨を置き、人差し指を内側に曲げながら、10円玉を親指の付け根あたりまで、親指に擦る感じで滑らせてきます。(下の写真4,5,6を参照してください)
写真4 写真5
写真6この動きは、手の甲が上になるように手を返す動作のうちに行います。右手で握り拳を作るだけのように見えなければなりません。
親指の付け根にコインが来たら、手を握っているときはそのまま軽く閉じているだけで、その場所に保持できるはずです。写真1のように、手を開くときは親指を軽く閉じて、コインを挟んでおきます。
指先に持っていたコインを、手を握る動作のうちにサムパームの場所までもってきて、さらに手を開いて1の状態まで持って行く練習を何度もやってください。これは決して難しいものではありませんので、何度か練習しているうちにできるようになるでしょう。1日15分くらいを2,3日練習すればできるでしょう。
3.準備:上着の左ポケットに10円玉を6枚、右ポケットに1枚入れておきます。
右手をポケットに入れて、コインをさがしている振りで、こっちにはないので左手を左ポケットに入れます。実際にはこのとき、右手はポケットの中でコインをサムパームします。左手から6枚のコインを取り出したら、一度、コインをテーブルの上に適当に置きます。両手を写真7のようにしますが、コインは、今、まだ適当にテーブルの上にあるだけです。両手を写真7のようにして、てのひらを開いたまま、コインを写真7のような状態になるよう2列に並べます。
写真7両手を開いたままでも、中指の先あたりで軽くコインに触れて、このような位置に移動させてください。このとき、右手には1枚サムパームしていますので、どうしても最初は、余分な力が入ってしまい、不自然になります。なるべく自然になるよう、練習してください。
並べ終わったら、もう一度写真7の状態に、両手を置きます。
写真84.左の手のひらを上向きにして、手を開きながら、写真8のように、左側の列のコインの手前あたり、テーブルのふちに持って行きます。このときさりげなく、左手は空であることを示します。ことさら、「左手は空です」などと言う必要はありません。
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写真9 写真105.写真9から10のように、右手の指先で、左の列のコインを1枚、引いてきて、左手の中に落とします。
続けて同じように、真ん中のコインも引いて左手に落とし、最後に一番外側のコインも左手に落とします。この最後のコインを左手に落とすとき、右手にサムパームしていたコインも一緒に落とします。ここは少し練習が必要です。
写真111枚目、2枚目、3枚目のコインを引いてくるとき、同じリズムで行います。そして3枚目を落とすとき、サムパームしているコインを少しゆるめて、3枚目と一緒に落とします。このさい、親指が極端に開いたりしないようにしてください。
写真12左手は合計4枚のコインを握ったら、すぐに軽く手を握ります。決して、あわてて握る必要はありません。写真12のように、左手をテーブルの上に出します。4枚のコインが左手の中にはありますが、観客は3枚を握ったと思っています。右手には何もありません。
写真136.右手で、右の列のコインを3枚、手前から向こうに向かって、つまみ上げてゆきます。一番手前のコインをつまみ上げたら、それを真ん中のコインの上に乗せ、その2枚をまた取り上げ、最後のコインの上に重ねて、最後は3枚とも右手の指先で持ちます。(写真13)
写真14 写真157.一度、右手を開いて、中に3枚のコインがあることを見せます。ここはしっかり見せてください。「こちらも3枚です」と言ってください。(写真14)
この3枚のうち、一番指先にあるコインだけをサムパームするため、最初に練習したように、この1枚をサムパームのときのように、人差し指と親指で挟む位置に調整します。(写真15)
写真16両手を写真16のように、手の甲が上になるように返しながら、右手は1枚だけサムパームし、残りの2枚は、普通に手の中に握ってしまいます。
写真178.両手を30センチ程度離したまま、軽く、手を振るジェスチャーをします。そのあと、両手を伸ばして、向こうの方から手前に向かって、同時に引いてきます。このとき、手の中からコインを出しながら、指先で調節して、写真17のように、左手からは4枚全部を並べ、右手はサムパーム以外の2枚のコインを並べます。写真17では、右手には1枚、サムパームされています。
観客からすると、右手の1枚が、左手に移ったように見えます。
9.「もう一度やってみます」と言って、同じように、右手で、左側の4枚を1枚ずつ、左手の中に落として行きます。4枚目を落とすときは、サムパームしているコインも一緒に落とします。観客は左手に4枚握っていると思いますが、実際には5枚握っています。
右手は先ほどと同じように、2枚つまみ上げ、写真14のときと同じようにして、一度、コインを見せます。今回は2枚しかありません。そして、両手を返して、手の甲を上にするとき、1枚をサムパームします。
写真188と同じようにして、また右手のコインを左に飛行させます。テーブルの上に並べて、右側には1枚が、左の列には5枚あることを見せます。 (上の写真18)
写真1910.最後も、1枚目、2枚目と同じようにします。右手の下からは一枚も出ないで、左手の下から6枚全部が現れます。(写真19)このとき、右手には一枚サムパームしていますが、実際には両手がテーブルの端まで来たとき、サムパームしているコインは膝の上に落としてしまいます。すると、右手にはもう余分なコインもありませんので、写真19の状態から、両手をゆっくり返して、手のひらを見せ、何もないことを示し終わります。
11.最後の膝の上のコインの処理は、もうここでマジックは終わったという雰囲気で、右手を膝の上に下げ、コインをつかみ、サムパームしてしまいます。 左の列にあるコインの手前に左手を持って行き、右手でざっと向こうから手前に向かって6枚のコインを左手の中に落とします。この動作は、今までと違い、もうマジックが終わったから、コインを片づけるだけのことですので、1枚ずつ、引いてくる必要はありません。ただテーブルの上の6枚を左手に入れて、コインをポケットにしまう動作です。この際、膝から拾い上げたサムパームしているコインも一緒に左手の中に落としてしまいます。
左手のすべてのコインをポケットに入れて、終わります。
マジェイア記