「スプーン曲げ」解説
Spoon Bending
2000/4/27
★解説
最初に現象を分解写真で見てください。
写真1 写真2 写真3
写真3-2
写真3の状態で持ち上げたところ
写真4 写真5 写真6
分解写真では、早さなど動きがよくわからないため、実際に見るのとは感じが違うかもしれません。写真の1から6までで、5,6秒で終わります。タイミング良くやれば、本当に曲がったスプーンが、一瞬にして戻るように見えます。
タネを一言で言えば、前半の曲げる部分は実際には曲げず、曲げたように見せるだけです(写真1から写真3)。後半は、その曲がっているように見えるスプーンを戻したように見せています(写真4から写真6)。
演出上重要なのは、曲げるところはマジックではなく、ただ手の力で曲げているだけであり、曲げたスプーンを瞬時に戻すところがマジックになっているのだということを理解しておいてください。「スプーンは硬いと思われていますが、実際には少し力を加えれば曲がるものだ」ということを説明しながら、上の写真1から3までの写真のように曲げて見せます。
では最初に、曲げる部分の解説をします。
スプーンを観客に手渡し、ちょっと調べてもらいます。普通の金属製のスプーンであることを確認してもらったら返してもらい、右手で柄の部分を握ります。このとき、コーヒー用などの小さいものであれば柄がすっぽり握り拳の中に入ってしまうでしょう。カレー用などの大きいスプーンなら、柄が拳から飛び出しますので、上から飛び出した部分は親指で押さえて、柄の先が拳の上から出ないようにします(写真7)。
写真7写真では右手でスプーンを持っていますが、左手でも同じようにできます。自分のやりやすいほうの手でやってください。なお、以下の解説に出てきます「右」「左」「手前」というのは、やっている本人から見てのことです。
握ったら、次にスプーンを持っているほうの腕をテーブルの縁に対して並行になるようにします。下の写真8を見てください。手首から肘のあたりまでがテーブルの縁に並行になっています。
写真8 写真9右手でスプーンを持っているのでしたら、体全体を左に向けるようにすると、楽にできます。腕をテーブルの縁と並行にせずに、写真9のように直角にしてもよいのですが、並行にしたほうが角度に強くなります。並行にしておけば、後ろ以外であれば、ほぼどこから見られても大丈夫です。垂直に持っていると、見せられる角度が少し狭くなります。
この後、先ほどの写真3,4,5のように曲げていきます。このとき、 反対側から見ると下の写真10、11のようになっています。この部分が、このマジックで一番練習のいる部分です。詳しく説明します。
写真1 写真2 写真3
写真10 写真11写真10、11はテーブルの縁に対して直角になっていますが、これは写真撮影の都合です。実際は写真1,2,3のように腕が縁に対して並行になった状態で行います。
最初は右手の指全体で柄の部分を握っていますが(写真1)、手首を左の方に倒すとき(写真2)、握っている指を少しゆるめて、指を上から順にはずしていきます(写真10)。写真10では、人差し指から柄がはずれ、中指からもはずれそうになっています。さらに手首を前に倒していき、同時にスプーンの柄は下げていきます。人差し指、中指、薬指と、上から順にはずしていって、最後は小指一本で持っています(写真11)。はずして行くとき、指を開くのではなく、少しゆるめる程度にしてください。この動作は、最初はゆっくりと何度も繰り返して練習してください。実際には写真1から3までの動作は時間にして1秒か2秒程度で、一気にそのポジションにまで持っていけるようにします。裏では今説明した、写真10、11の動作をしています。上の写真11では、前から見ると小指の下にスプーンの柄がありますから、観客は柄が直角にまがり、曲がっている部分を持っているように見えます(下の写真12)。
写真12 写真13
写真3のときも、写真12と同じ状態です。写真12ではいかにも曲がっているように見えますが、実際にはスプーンの柄は写真13で、黄色の線が示している位置にあります。観客から見ると、赤い線のところにスプーンの柄があるように思えますので視覚的に錯覚します。
原理はわかっていただけたでしょうか。これが曲げる部分のハンドリングです。
もうひとつ付け加えると、写真2から写真3の状態にするとき、拳がテーブルにぶつかる音、もしくは金属製の時計バンドをしていたら、それをテーブルにぶつけるとガチャッという音がしますから、いかにもスプーンが曲がったように聞こえます。サウンド・イリュージョンとでもいった効果になります。
曲がったら、いったん写真12のように持ち上げ、すぐに正面を向き、下の写真4から6のように持って、スプーンを左手で引き出します。
写真4のとき、「戻れ!」と叫び、そのまま写真5、6のように回転させながらスプーンが元に戻っていることを示します。
写真4 写真5 写真6
マジェイア記