ショー&レクチャーレポート

 

Mr.マリックの超魔術スペシャル(2)

マリックさんの超魔術スペシャル第二夜です。

いやー、今回のは本当に楽しかった。サブタイトルが「マジックパーティへの招待」です。マジックにはおしゃれな雰囲気が似合いますね。

マニアがマジックを見る場所というと、レクチャーなどのときでも会議室を使ったりすることが多く、周りの雰囲気は殺風景なものです。しかし今回のは雰囲気自体がすごくおしゃれなんですね。

各テーブルの上には色とりどりのカクテルが並び、あのような場所でしゃれたマジックをさりげなくひとつか二つ見せるというのが私の理想とするシチュエーションです。


放送日時:1997年4月8日 午後8時−8時50分 NHK衛星第2
タイトル:Mr.マリックの超魔術スペシャル(2)
サブタイトル:「マジックパーティへの招待」
出 演 :Mr.マリック
ゲストマジシャン:藤井明、Dr.ZUMA
司 会 :宝田明 高見恭子
ゲスト :ピンクの電話


オープンニグ:宝田明と握手すると、Mr.マリックの手の甲から突然火が吹き出す。

1.超魔術ペン

マニアにはおなじみの「超魔術ペン」の新バージョン。 客から借りたお札にボールペンを突き刺し、両面を見せて、ペンが貫通しているのをはっきりと見えることができる。(Jim Krenzのお札の切れ端が見える例の方法)
ペンを抜いて、お札を客に返すが、どこにも穴は空いていない。

2.シガレットスルーザコイン

選んでもらった100円玉にたばこを貫通させる。


これも10数年前、マリックブームの火付け役になったマジックのひとつ。「 シガースルーコイン」というのは私も30年近く前からジョンソンの製品を持っていたが、全然面白いとも思えず、引出の中に長い間入れっぱなしであった。ところがMr.マリックがテレビであれをやった次の日、知人数名から、「あれは本当の超能力でしょう?」という問い合わせがあり、驚きました。あれほどインパクトのあるマジックだとは気がつきませんでした。

今回のは新バージョンで、昔のネタを知っていてもひっかかります。 タバコがコインに貫通したまま、客に渡してもOKです。旧ヴァージョンとどちらがよいかは一概に言えません。

3.時計と鍵

錠前と4つのキーを見せる。4つのうち、ひとつだけが錠前に合うキーで、あとの3つでは開かない。
観客から時計を借りて、それにこの錠前を掛ける。4つのキーを司会の高見恭子に持たせる。そして、最終的にはひとつだけ選選んでもらう。他の3つのキーは、ペンチで折ってしまう。(処理がうまい)選ばれたキーで錠前を開けると、無事に鍵が開く。

4.パーフェクトタイムの置き時計バージョン(コレクターズワークショップの製品)

テーブルの上に大きな置き時計をおいて、誰にも見えないようにして、ある時間にセットする。 観客に自分の腕時計をはずしてもらって、針を適当に回して好きな時間にセットしてもらう。その時間と、前もってセットした置き時計の時刻を比べてもらうと一致している。

コレクターズの名作、「パーフェクトタイム」の置き時計版であるが、値段は確か30万円くらいしたはず。これは大変精巧で、すごいメカを使っているのでマジシャンはラクでよい。でもここまでメカでやると、やっていて面白くなさそう。ラクなのはよいが、多少はマジシャンも苦労したいと思うのは自虐的だろうか。

5.手が伸びる

観客全員にさせる。両方の掌をあわせて、左右の指の長さが同じであることを確認させる。片方の腕を頭の上に伸ばして、指が伸びるイメージをさせる。しばらくしてから、もう一度両方の掌を合わせると、片手の指だけが1,2センチ伸びている。(ゲー、私も伸びたぞー。(^_^; どうして?!)

ここでゲストの藤井明さんが登場。ちょっと緊張気味。コインマジックを数点見せてくれる。  コインが消えたり現れたりしながら、最後はとてつもなく大きなコインになる。藤井さんは、コインマジックでは日本だけでなく世界的に見ても屈指のマジシャンです。(おもちゃのウルトラマンをとばすのでも有名)

Mr.マリックが再び登場

6.ダーツを使った予言

観客にダーツを2本投げてもらう。その合計点が最初から見えるところに置いてあった木製の箱の中に予言されている。(すごくよくできたネタ。欲しいーー)

二人目のゲストマジシャン、Dr.ZUMAが登場。

観客の女性を台の上に寝かせる。その下には、長さ60センチくらいの針が20本くらい上を向いて突き刺さっている。お腹のあたりにカバーを掛けると、針が下から上に上がってきて、台を貫通する。

Mr.マリック登場

7.メモ用紙の透視

観客にメモ用紙を渡して、誰にも見えないようにして一文字書いてもらう。書いている間、その観客の周りを別の観客に手伝ってもらい、大きな布でカバーして、絶対だ誰からものぞかれないような状況を作る。実際、何を書いているか誰も見えない。小さく折りたたんだメモ用紙を一瞬指先で触り、何を書いたか読みとる。(これも不思議)

8.カードオンザシーリング

一組のトランプから一枚観客に選んでもらう。覚えたら戻し、切り混ぜる。輪ゴムで止め、それを天井めがけて投げると、一枚のトランプだけが天井に張り付く。それが観客のカードである。(サインをさせなかったが、効果は同じであることがよくわかった)

9.念力3題

◆大きな電球を観客に持たせる。念力を送ると、線もつながっていないのに、電球が光る。
◆木製の3本足のテーブルがある。念力を送るとテーブルがひとりでに倒れる。
◆最後はトランプが念力で噴水のように空中に舞い上がる。エンディング用に派手でよい。

それにしても本当に久しぶりにマジックを見て楽しいと感じる50分間でした。
あるマジックが引き立つかどうかは、現象だけでなく、観客の雰囲気や場所の雰囲気が、うまくミックスしたとき、すばらしいエンターテインメントになると実感できました。

今回マリックさんがやった個々のマジックは、あの通りやろうとすると入手困難なネタもありますが、原理と演出のポイントさえつかめば私たちでも比較的簡単に利用できるものが大半です。ネタの詮索より、演出上の秘密こそ勉強させてもらいましょう。


backindex 魔法都市入口へ魔法都市入口へ
k-miwa@nisiq.net:Send Mail