ショー&レクチャーレポート

 

'99超魔術スペシャル

Mr.マリックの大逆襲2

1999/10/6


放送日時:1999年10月5日(火曜) 午後9時−10時54分
放送局:毎日テレビ(大阪)
タイトル:'99超魔術スペシャル・Mr.マリックの大逆襲2
出 演 :Mr.マリック
司 会 :長島一茂・外山恵理(TBSアナウンサー)
ゲスト :西村雅彦、秋野揚子、安西ひろこ、原 千晶、アリtoキリギリス、山田純大、浜野裕子


今年の7月に放送された「Mr.マリックの大逆襲」に引き続いて、その2回目です。

前回は、手を擦り合わせて金粉を出すの何度もやっていました。あのようなことはヘタをすると、アブナイ方向にマジックを利用される危険性もあり気になっていました。今回はエンターテインメントに徹して、途中、「種明かし」や「バーベット」もあり、内容はバラエティに富んでいました。反面、演出に統一がないとも言えますが、何をやってもさすがにうまいものです。Mr.マリックの雰囲気はすでに確立されていますから、安心して見られました。


OPENING

デビッド・カッパフィールドの登場かと思うような現れ方です。エレベーターに乗って、上から降りてきました。

「リンゴの消失」

お皿に上にリンゴが1個乗っている。それにバンダナをかぶせるとリンゴが消える。これは種明かしを行い、もう一度行うと、今度は本当に完全な1個のリンゴが消える。

「釘を曲げる」

長さが10センチくらいの太い釘を取り出し、かなづちで木に打ちつけ、本物の硬い釘であることを示す。観客にも手渡して調べてもらうが、その釘が中央から曲がり、やがて切断されてしまう。
(数年前から海外で発売されているネタを使ったものだと思ったが、最近売り出された「ザ・ネイル」かも知れない)

「マッチの自動点火」

ペーパーマッチのふたを開き、観客に持ってもらうと、マッチ全部が、勝手に燃え出す。
(タバコの自動点火の応用)

1.「電球」

電球をコンセントから抜き、右手の指をコンセントに入れ、左手で電球を持つと電球がつく。指をコンセントに突っ込んだとき、一度、指先から火花が飛び散るギャグが入る。

別の透明な電球を取り出し、手で握ると中のフィラメントが灯もる。観客に触れると、観客が感電したように飛び上がる。
(指先から火花が飛び散るギャグはうまく演じると、本当に感電しているように見える)

2.「文字を念で送る」

机の上にメモ用紙が置いてある。観客に、そのメモ用紙に自由に1文字書いてもらう。演出上は、その文字は術者が念を送って書いてもらったことになっている。術者は観客が書く前に、自分もメモ用紙に1文字書いておき、観客と同時にテレビカメラのほうにメモを向けると、二人の書いた文字が一致している。

別の観客には3桁の数字を書いてもらい、同じことをするがそれも当たる。
(ハイテク+N.Writerの原理)

3.「残留情報」

赤、黄、緑、青の木製の積み木が4つある。それをアクリルでできた透明な箱に一つだけ入れてもらい、5秒ほど入れたままにしてから取り出してもらう。術者は空になったアクリルの箱を眺めることで、観客が何色の積み木を入れたか当てる。観客が入れるときは、観客の頭にすっぽりと黒い布をかぶせて、誰も、絶対に外からは見えないようにして行う。

もう一度行うが、今度は客席から8個の品物を借りてくる。この間、術者は大きな紙袋をかぶり、どのような品物を借りてきたのかわからないようにする。 8個のうち、2個をアクリルの箱に入れてから、5秒ほどして取り出してもらう。術者は空の箱を受け取り、それを眺めることで何を入れたのか当てる。

このタイプのマジックも色々な原理があるが、後で演じたマジックは、ハイテクを使わなくても容易にできる。眼鏡と指輪であったが、一つは最初間違えていた。このあたりが、信憑性を高めるためのMr.マリックの細かい演出の妙。

4.「夜の超魔術1」

バーのカウンターにMr.マリックが入り、簡単なマジックやバーベット見せてくれる。

2枚のクォーターコイン(アメリカの25セント)を2枚、手のひらにおいて、縁だけが接している。そのままの状態で、コインが落ちないように指先で持つ。一見、微妙な力の入れ具合でバランスを取っているように思うが、コインの裏を見せ、種明かしをする。この種明かしの後、今教えた種を使わないで2枚のコイン同士を縁で接触させ、1枚のコイン上にもう1枚のコインを立てる。指で上のコインを弾くと、コインは落ちることなく、回転する。 (昔からある小ネタ)

5.「錠前とキー」

観客からお札や小銭を借りて、箱(ふたのある木製の貯金箱)に入れてもらう。それに鍵をかけるが、その鍵を開けることのできるキーは1つしかない。他の3つのキーでは開かない。この4つのキーをよく混ぜ、二人の観客にそれぞれ左右の手に持ってもらう。助手役の観客が4つの手に自分の手をかざし、「感じるキー」を選ぶ。感じないキーは、箱の中に入れて行く。もし間違っていると、この箱を開けることはできない。最後に助手の選んだキーで鍵を開けると、無事に錠前ははずれる。

これも昔からあるネタであるが、さすがに演出がうまい。この種のマジックは結末が予測されるので、見ていても意外性がないのでだれることが多いのだが、Mr.マリックは、観客を引っ張って行く演出がうまい。

6.「夜の超魔術2」

スケッチブックのような紙に、山の絵と、地面に穴が開いている絵を描く。穴の底には何かのタマゴがある。それは何のタマゴかを当てる。第二弾目もあり、前の問題が思考の回路がある方向に向けられているため、意外なくらい、みんな引っかかる。

(これは古くから京都方面で、子供の間で伝わっているネタ。松田道弘氏の本にも紹介されている)

7.「マッチの箱」

マッチ箱を開けると、中に十数本のマッチ棒が入っている。箱を閉じてから、観客の手の上で箱を叩くと、1本のマッチ棒が箱を貫通して落ちる。(小ネタであるが、おもしろい)

次に、マッチ棒を全部取りだし、50円玉と100円玉をそれぞれ1枚ずつ箱に入れる。1枚のコインを同じように貫通させようとするが、落ちない。箱を開くと50円玉は消えている。箱をよく見ると、外箱の紙が少しふくれている。箱を破ると、紙の中から50円玉が現れる。
(穴あき50円玉と、100円玉の「スコッチ・アンド・ソーダ」が目新しい)

100円玉にスプーンの柄を押しつけると、柄がコインに刺さる。
(シガースルーコインのバリエーション)

8.「ビル・イン・ブロック」

5の「錠前とキー」で借りたお札を使う。このお札の番号をメモしてもらってから、お札を折り畳んで、2個のブロックの間に挟み、バンダナで包む。

別のブロック4個から、2個、観客に選んでもらい、ブロックの表面には何もないことを確認してもらった後、ブロックを重ねる。その上に座ってもらい、バンダナで包んだ2個のブロックを頭の上に置き、体を通り抜けて、下の2個のブロックの間に、上のお札を移動させる。

座っていたブロックを見ると、、お札はない。ブロックをかなづちで割ると中からお札が現れる。番号をチェックすると一致している。

9.「夜の超魔術3」

10円玉を12枚積み重ねる。ハーフダラー、500円玉、25セント、10円玉、100円玉、1円玉、1セント硬貨、10セント硬貨を並べる。12枚積み重ねたコインの高さと、ハーフダラーから10セントまでのコインの直径がほぼ同じものがあるのだが、どれが一番近いか、見た目で選んでもらう。実際に選んでもらったコインでやってみると、これが全然合わない。予想外のコインが一致する。
(目の錯覚だけのことだが、面白い)

10.「ボルトとナット」

ボルトにナットを通したものを透明なビンに入れて振っていると、ボルトからナットがはずれる。観客には小型の3色のボルトとナットを渡し、色を指定させてから、観客自身がビンに振ってもらうと、指定した色のボルトだけからナットがはずれる。

最後はMr.マリックが大きいボルトとナットを使い、手を触れずに念を送ると、勝手にボルトが回転してはずれる。
( 以前からMr.マリックはこのタイプのものをよく演じていたが、今回、最後にやったものは、それとはネタが違う)

11.「夜の超魔術4」

観客にトランプをよく切ってもらってからトランプの表を見ることなしに、重さの違いで、字札と絵札を分けて見せる。

次に、「坊主めくり」のトランプ版、先に絵札をめくったほうが勝ちというゲームを行うが、バーベットでお馴染みの、ちょっとしたオチを使う。

12.「ナスカの地上絵1」

日本のどこかにナスカの地上絵を出現させる。その場所をゲストに選んでもらう。選び方は、小さいな地図にボールペンでX印をつけてもらうが、地図を見ないで、後ろ手で、地図のどこかに、X印を付けてもらう。こうすると無作為にある場所を選ぶことができる。地図を見ると、北陸の能登半島のあたりに印がついている。ここに今から飛行機で現地に飛び立つ。
(これはよく知られたフォーシング)

13.「夜の超魔術5」

表の印刷されていない白いトランプが2枚と、スペードのエースを使い、どこにスペードのエースがあるかを当てる「スリーカードモンテ」を行う。観客は当たらないが、最後は、はっきりとスペードのエースを見せた後、すり替えられないように、上から釘でテーブルに打ちつけてから行うが、それでも観客ははずれる。

(沢浩氏の考案した原理)

14.「スプーン曲げ」

喫茶店でスプーン曲げを見せる。

15.「ナスカの地上絵2」

能登半島一帯をヘリコプターで飛び、上空から場所を選ぶ。石川県のある海岸に降りる。

ナスカにある地上絵のうち、代表的な8枚を持ってきて、そこから1枚の絵を選んでもらう。選び方は、円盤にこの8種類の絵を描いたものを回転させ、ボウガンで射ることで選ぶ。鳥の絵に矢が刺さり、この絵に決まる。 (初めて見るフォーシング)

Mr.マリックが海岸の砂浜を叩くと、幅30センチくらいの亀裂が砂浜に入り、それが徐々に伸びて行く。最後は、選ばれた鳥の絵が海岸に完成する。本物よりかは小さいが、それでも全体で数十メートルくらいはありそうな絵が海岸に出現する。この線の出るとき、まるで地割れでもして行くように、砂浜に亀裂が入って行くが、この場面はドラマチックであり、昔なら、間違いなく「奇跡」と思われただろう。

ただ残念なのは、テレビの放映では、この絵が浮き出てくる場面を最初から最後まで見せてはいない。本当に全部あのような感じで絵が浮き出たのであれば、もっと見せてもよいはずなのに、あれではカメラトリックで、最初と最後だけを見せて、途中はもっと手を抜いたことをやっていたのかも知れないと勘ぐってしまう。

それにしても最近はマジックも大がかりになってきた。デビッド・カッパーフィールドが「自由の女神」を消したり、「万里の長城」の壁を通り抜けたりといったことをやるようになってから、外で見せるものは一大プロジェクトを組んで行わないとできないくらい大がかりになっている。


backindex 魔法都市入口へ魔法都市入口へ
k-miwa@nisiq.net:Send Mail