★アル・ベーカー氏の御言葉

追いかけられてもいないのに逃げてはいけない。

Al Baker　(1874-1951)

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マジェイアの蛇足

人は不正なことをしていると、過剰に自分の正当性を証明しようとしてボロを出します。マジックでも同じことです。たとえばカードマジックを見せているとき、ことさら、「これは普通のトランプです」とか、「これは何の仕掛けもありません」と言う必要はないのです。特に、「普通ではないトランプ」を使っているときは絶対言ってはいけません。

観客にすれば、「普通のトランプです」というフレーズを聞いたら、「この世には普通でないトランプも存在するのか」と思うでしょう。

また何か仕掛けのある道具類を出してきたときも、もしそれが本当に何の仕掛けもないものであるのなら、マジシャン自身、それをラフに扱います。ところがどこかに仕掛けがあると、それが気になり、過剰に改めてしまうのです。

技法で言えば、「パドルムーブ」のときなどもそうです。裏は一度見せたら十分です。ところが、多くの人は、数度、裏と表を確認するという動作をしています。実際に何の仕掛けもない道具で、表も裏も同じものであるのなら、そのような過剰な「改め」はしないはずだということを確認しておいてください。

警察官を見たら突然走り出す人物がいたら、怪しいと思うのは当然のことです。アブナイことをしているときこそ、平然を装う厚かましさがマジシャンには必須の資質かもしれません。

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