★デビッド・カッパーフィールド氏の御言葉

If it can be imagined, it is real.

想像できたら、実現したのと同じこと。
イマジネーション即リアリティ。

David Copperfield (1956〜)

David Copperfield's Tales of the Impossible


マジェイアの蛇足

つい先日、アマゾン(amazon.com)から本が届きました。通常、マジックのマニアが読むような専門書は一般書籍とは異なるルートで流通しています。そのため、一般書店ではマジックの専門書はほとんど手に入りません。

また逆もあります。マジックの本であっても、一般の人を対象にしたような入門書は普通の書店の店頭には並びますが、このような本の中には、マジックショップのカタログには載らない本もかなりの数あります。

デビッド・カッパーフィールドの"Tales of the Impossible"(HarperPrism,$6.99, 1995年)は後者のような本です。専門店のカタログでは今まで見た記憶がありません。何かおもしろそうな本はないかとアマゾンで検索していたら偶然見つかりました。

この本にはマジックの種明かしは一つも載っていません。短編の小説です。デビッド・カッパーフィールド自身のものとしては、子供時代にはじめて雪を見たときの驚きを綴った"Snow"という小説が載っています。

昔、映画の出始めの頃、初めて映画を見た人にとってはスクリーンの上で人が動いたり、馬が走ったりするのを見ることは、まるで魔法を見ているようなものであったでしょう。箱から音楽が流れてくる機械や、何マイルも離れたところにいる友人や家族の声が小さな機械から聞こえてくる機械も、魔法としか思えなかったはずです。

デビッド・カッパーフィールドが小さいとき初めて経験した魔法は雪でした。空から、白くて冷たい花びらのようなものが次から次へと落ちてきて、手に取るとスーと消えていきます。それは小さなデビッドにとってはまさに魔法としか思えなかったでしょう。このときの驚きをステージで再現したのが"Snow"です。

デビッド・カッパーフィールドはこの"Snow"限らず、自分がイメージできたことは、いつか必ず現実になることを知っています。カッパーフィールドが成功した最大の秘密がこれです。決してあきらめずに、イメージし続けていると、それは段々と鮮明になってきます。それに伴い、イメージにすぎなかったことが現実になってきます。

もうひとつ、デビッド・カッパーフィールドがマジックやショービジネスの分野で成功した秘密があります。以前、彼のこれまでの半生を紹介した伝記がテレビで放映されていました。それを見ると、カッパーフィールドは小さいとき、友達ともあまり話すことのできない無口な子供でした。大変内気で、孤独な少年でした。

このような状態から抜け出すきっかけになったのは腹話術の人形を買ってもらってからです。人形の口を借りれば、友達や大勢の人の前でも、何でも話すことができました。今まで無口で、人見知りをしていた少年が、いっぺんに人気者になったのです。この経験はデビッド・カッパーフィールドを大きく変えました。

つまり、孤独や怒り、寂しさといったマイナスのエネルギーも、その絶対値が大きければ、何からの方法でプラスに転化できれば、そのエネルギーがそのまま利用できるのです。マイナスのエネルギーでも一点に集中させ、プラスに変えることができたら大きな武器になることを学んだのです。

「イメージができたら、それは実現したのと同じこと」に加えて、「怒り、悲しみ、喜び」といったマイナスのエネルギーでも、またプラスのエネルギーでも、一点に集中させることで大きな仕事を達成する術を身につけたのです。

今回紹介したデビッド・カッパーフィールドの言葉は、先に紹介したヘンリー・フォードの言葉とほとんど同じなのですが、マジック界のスーパースター、デビッド・カッパーフィールドがこんなことを言っていたとは知りませんでしたので、少し重複しますが紹介しておきます。


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