★ヘンリー・フォード氏の御言葉
人はだれでも、想像できることなら、どんなことでもできる。
Henry Ford (1863〜1947)
マジェイアの蛇足
アメリカの自動車王、ヘンリー・フォードの言葉です。
フォードがマジックをやっていたわけではありませんが、どのような分野にもあてはまる言葉ですので紹介します。
この言葉自体は、私自身は随分昔から知っていました。今回、ここで紹介したくなったのは、つい先日、デビッド・カッパーフィールドのビデオを見たからです。
デビッド・カッパーフィールドはマジックをやっている人であれば誰でも知っているでしょう。現在のマジック界におけるスーパースターです。マジックを見せるだけで、年収は40億円を越えています。これはマジックの世界では桁違いです。1年中、世界中を廻りながら、ショーをおこない、数千名入る会場をいつも満席にしています。昨年(1998年)の日本公演でも、普段はマジックのショーなど見に行かない人達まで大勢来ていました。
いったい、デビッド・カッパーフィールドと他のマジシャンの違いは何のなのでしょう。
一口に言ってしまえば、「不思議さの度合い」です。とにかく、彼の見せるマジックは、考えられる不思議さの限界を超えています。例えば、「オリエント急行」の周りをぐるっと人が手をつなぎ、全部囲んだ状態で、大きな布で列車をすっぽり覆います。すると布が静かに持ち上がり、数メートル持ち上がったところで、突然、中の列車が消えてしまい、布だけが地上に落ちてきます。布を取り除くと、あの巨大なオリエント急行が消えてしまっています。
それ以外にも、「万里の長城」の壁を通り抜けたり、「ナイアガラの滝」から落ちたり、滝の上を魔法の絨毯に乗ったまま、飛行したこともありました。
最近では公演のとき、会場の中を飛びます。飛ぶというと歌舞伎の猿の助や、ミュージカルのピーターパンのようなものを想像するかも知れませんが、あれはただ「吊しているだけ」です。デビッド・カッパーフィールドは本当に飛ぶのです。(笑)
私たちは、このようなことができたらおもしろいだろうなと思っても、常識や科学の知識がじゃまをして、いや、絶対、無理だと思ってしまいます。しかし、デビッド・カッパーフィールドはあきらめません。
「人はだれでも、想像できることなら、どんなことでもできる」という、ヘンリー・フォードの言葉を実践しているかのように、イメージしたことを実際におこなってしまいます。
私たちがデビッド・カッパーフィールドのマジックに感動するのは、トリックと言うより、「ここまで人はやれるのか」という人間の可能性に対する驚きなのかも知れません。