★マイケル・スキナー氏の御言葉1

新しいトリックを練習するとき、自分でも満足できるまでしっかり練習しなさい。大切な宝石に触れるつもりで、そのトリックを扱いなさい。

うまくできるようになり、何度か人に見せたら「宝石箱」の中にしまって、しばらく触れないようにしなさい。

頃合いを見て、またそっと宝石箱から取り出し、人に見せなさい。そしてまた宝石箱の中に戻しなさい。これを繰り返してゆけば、あなたの宝石箱は美しい宝石でいっぱいになるでしょう。

 

Michael Skinner (1947-1998)

Classic Sampler


マジェイアの蛇足

私がはじめて見た外国人のレクチャーが、マイケル・スキナーのものでした。(1972年)

見せてくれたものはどれも不思議で、美しいものばかりでした。クロースアップマジックというのは、このように演じるものなのかと驚嘆しました。彼は当時から、クロースアップマジックをきれいに見せるということにかけては世界でも屈指のマジシャンでした。トランプを配ったり、テーブルの上にあるカードを1枚をひっくり返したりする動作まで、どのようにすれば最もきれいに見えるのかといったことにいつも気を配っていました。

自分の演じるマジックはすばらしいものだと信じ、実際に自分でもそれを大切なもののように扱えば観客にも伝わります。

マジシャン自身が自分の演じるトリックに対して何の感動もなく、手垢の付いた演技を繰り返していては観客も感動してくれません。一定期間あるトリックを演じたら、しばらく宝石箱にしまいなさいというのは、美しくもあり賢明なアドバイスです。宝石箱の中でしばらく眠らせることで、また新鮮な感動がよみがえってくるのでしょう。


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