最初に

基本的な現象は、数ある「財布に通うカード」のひつとです。しかし、今回紹介するマジックには、演出次第でギャグにもなります。

現象

観客に、一枚のトランプにサインをしてもらいます。これを使って何かトランプマジックを見せます。何でも良いのですが、「アンビシャスカード」などが適当でしょう。「アンビシャスカード」というのは、観客にサインをしてもらったトランプを一組の中程に入れても、おまじないをかけると、いつでも一組の一番上から現れるというものです。

これが終わったら、マジシャンはポケットから財布を取り出します。マジックを趣味にしていると、有名人にマジックを見せる機会も多く、これまでにも何人ものスターにトランプマジックを見せ、その都度、サインをしてもらい、それをコレクションにしているという話をします。実際に、集めた有名人のサインを一部持ってきているので観客に見せます。

財布を開くと、中にビニール製のカード入れのようなケースが入っています。ビニールケースの中のサインを順に見せて行くと、ブラッド・ピット、メグ・ライアン、ちょっと古いものではマリリン・モンローなどのサインがあります。

「でも、今から見せるサインが一番有名な人かもしれません。ここにいらっしゃるみなさんでしたら、きっとみんなご存じの方です。誰のだと思います？」

先ほどサインをしてもらった観客に、ケースの中のトランプを見せると、ついさっき、自分自身がサインをしたトランプがビニールのケースの中にあるので驚きます。

「このサインは、将来、あなたがもっと有名になると思いますので、私の大切なコレクションに加えさせていただきます」と言って、終わります。

コメント

サインをしてもらったトランプが財布から出てくるというのはいったいいくつくらいあるのでしょう。有名なものではフレッド・カップスの「カップス・ワレット」、ルポールの財布、トム・ムリカのパームをしなくてもよいもの、ヒンバータイプの財布を使うものという具合に、すぐに１０近くは出てきます。どれもそれなりのおもしろさがありますが、今回のものは、演出が一般的なものとはだいぶ異なっており、ギャグとしても使えます。

財布の中のサインは本物である必要はありません。映画の雑誌などに載っているサインを見て、それっぽく英語で書いておけば結構信じてくれます。上の写真に写っているものは、私が実際にもらったサインです。スライディーニー、ブルース・サーボン、チャニング・ポロックなどのサインです。これは昔、マジシャンが来日した折りなどに、エースにサインをしてもらうことにしていました。マジシャン相手に見せるときはこれが便利です。

一般の人に見せるときは、このようなマジシャンのサインを見せても誰も知りませんので、映画スターやスポーツの有名選手のものがよいでしょう。どうせ本物である必要はないのですから、モンローのサインの横にはキスマーク、ボクシングのタイソンであれば歯形（相手の耳を噛みちぎった）などを添えておいてもウケます。

なお、これはパームを使いません。財布の裏に穴も開いていません。（笑）
ビニールケースにトランプをロードする部分の原理自体、私は今まで知らないものでした。

この財布は、大阪のマジックショップ、ミスターマジシャンでも扱っています。（6,000円）

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