製品情報

製品名 Invisible Deck
インビジブル・デック
原案者 Jor Berg(ジョー・バーグ)1936年
発売元

国内外を問わず、大抵のショップで扱っています。

価 格 店やカードによって差はありますが、国内では2000円前後でしょう。
分 類 クロースアップ、カード、インビジブル

Invisble Deck

 

2004年5月6日(加筆訂正)


今朝アップロードすると、早速神戸の三田皓司さんから追加情報を頂きました。それをもとに、一部加筆訂正しました。

最初に

Invisible Deckの原形はサム・ドリーリングのautomazo deckだそうです。1934年に商品として発売されました。それをロシア生まれのアメリカ人マジシャン、ジョー・バーグが粗面液を使い、手軽にできるようにしたものを彼自身が経営していたマジックショップで売り出したそうです。(1936年) アメリカでは「ウルトラメンタルデック」Ultra Mental Deckと呼ばれています。

「インビジル・デック」が日本で広まったのはテンヨーが海外のマジックを扱いはじめた1970年前後からだと思います。アメリカでは1976年に「インビジブルデック」の様々な使い方を解説した小冊子、"Invisible Secrets Revealed"が出ています。ドン・アラン他、多くのプロ・マジシャンがレパートリーに入れている点から見ても、たいへん実用的なマジックです。

現象

色々な見せ方がありますが、代表的なものを紹介します。

マジシャンは今からおこなうマジックは「インビジブル・デック」つまり、「目に見えないトランプ」を使うと説明します。観客にも協力してもらい、一組の、目に見えないトランプがあるつもりで、しばらくつき合ってもらいます。

「見えないデック」から観客に1枚のカードを選んでもらい、それを裏向きにして、表向きのデックの中程に差し込んでもらいます。そのカードをケースに入れて、ポケットにしまいます。これはあくまで見えないデックでおこなっていますので、そのような振りをしてもらうだけです。

その後、ポケットに手を入れると、今度は目に見える普通のデックが出てきます。ケースからトランプを取りだし、表向きに広げていくと、本当に1枚だけ裏向きのトランプがあります。それを抜き出して確認してもらうと、先ほど観客が「見えないトランプ」で覚えたトランプです。つまり、見えないトランプでおこなったことが現実になっているのです。

コメント

基本的な現象は上で述べたようなものですが、マジシャンの常として、ポケットからデックを取り出す部分をもう少し何とかしたいと思うようです。普通にポケットから出してくるよりも、今まで見えなかったデックが突然目の前に現れたら観客に与えるインパクトは強いはずです。そのための演出が色々と考案されています。

詳しく説明するとタネに触れる部分もあるため書けませんが、特殊な準備なしで行う方法として、袖にデックを最初から入れておき、観客に「見えないデック」をマジシャンのほうに投げてもらい、それを受け取る動作に合わせ、袖にあったデックを出現させる方法もあります。また多少準備をいとわないのであれば、出現の瞬間、光で目を眩ませるためにフラッシュペーパーやジョン・コーネリアスの「FISM FLASH」などを使うことも効果的です。

デックの出現の際、光らせるタイプのものとしては、ふじいあきら氏の手順があります。ふじいさんのルーティンは、普通のデックの半分くらいしかない大きさのトランプ、ミニチュアのバイシクルで作った「インビジブル・デック」を使いますので、パームなどの扱いが大変らくです。ただこれは現在もふじいさんが自分のショーで行っているため、購入しても、購入者がテレビなどで演技することやインターネットで動画を流したりすることは遠慮した方がよいでしょう。家族や友人など、プライベートで限られた場所で演じるのであれば問題はありません。

銀次朗さん店、「ジーズファクトリー・リミッテッド」では「ふじいあきらのインビジブルデック・ルーティン」として発売されています。

インビジブル・デックは、マニアであれば大抵マジックを始めて間もない頃、まだ初心者といってよい段階で購入して、持っているはずです。しかしこれを実際に自分のレパートリーにしている人は、意外なくらい少ないように思います。普通に演じても、十分不思議なマジックなのですが、技術的には大変簡単であるため、もの足りないのかも知れません。

デックが突然現れるような演出ができれば、マニアでも演じたくなると思います。私も少し前に銀次朗さんのところからふじいあきら氏の手順がついたものを購入してから、よく演じていますが観客の反応もよいので、それ以降、もっぱらこちらを利用しています。ただし出現の部分が強烈すぎて、観客によってはそこでマジックとしては完結してしまい、カードが実際に当たる部分には関心がなくなってしまう人もいるようです。

★おまけの一言

インビジブル・デックは、技術的には何も難しいところはないのですが、ちょっとした計算が必要です。計算といっても、小学校の1年生か2年生でもできるような、簡単な引き算だけです。しかしお酒が入っていて、この計算も自信がないという人のために、計算不要の方法を紹介しておきます。

 以下の説明は、すでにインビジブル・デックをお持ちの方のためのものですので、概略だけを書いておきます。

 まず観客のカードが裏向きになっている面を上にしてケースから取り出します。

そしてデックをマジシャンの顔の高さ当たりにもってきて、観客のカードが裏向きの状態で現れる側が観客の方を向くようにして、立てて持ちます。そのまま端から少しずつ両手の間に広げていくと、マジシャンが見ている側には、観客のカードが表向きに出てきます。そこで少し押し出して、観客に1枚の裏向きのカードが見えるようにすれば、計算は不要です。

魔法都市の住人 マジェイア


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