最初に

随分懐かしいパベルのシルク・セレナーデが発売されました。1960年代後半か70年代前半に発売され、その後しばらく売り場からなくなっていました。指先の技術不要であり、マジックをまったくやったことのないような人でも１時間も練習すれば人前で見せられることから、大変人気の高かったマジックです。

今回、どういうわけかまた復刻されました。ただこれはこの先、ずっと売り出されるのか、一時的なものか不明です。

現象

両面とも黒いレコードが３枚あります。それと赤、青、黄の３枚のシルクを使います。レコードのジャケットに黒いレコードを一枚入れ、中央の穴に赤いシルクを通します。中のレコードを出すと、両面とも赤のレコードに変わっています。同じように、残りの２枚も順に黄色、青と変化します。

最後はジャケットを開いて、中には何も残っていないことを示します。

コメント

これの原案者はスイスのマジシャン、パベル（Pavel、1945−）です。パベルは数多くのマジックを考案し、1982年のFISMでは発明部門で「ジャンピング・ノット」を演じ、１位になっています。900を越えるマジックを考案し、そのうちの何点かは世界的なヒット商品になっています。現象はどれもビジュアルで、大変効果的です。パベルのマジックの中でも、この「シルク・セレナーデ」はとりわけ有名でしょう。テンヨーが一番最初に売り出したのはいつのことか忘れましたが、30年以上前だと思います。やさしい割には効果的なマジックであるため、初心者用の講習会でも重宝され、よく講習に使われていました。

私も当時購入して、持っていましたが、レコードが紙のため、しばらく使っていると痛みやすいのが欠点です。今なら薄いプラスチックで作れるはずなのに、今回も当時と同じ、紙製です。値段は30年くらい前で1,500円であったと思いますから、そのことを思えばほとんど値上がりしていません。もし持っていないのでしたら、買っておいて損のないマジックです。