製品情報

製品名Slurp(スラープ)
発売元A-1 MultiMedia
購入先オフィス・ニシカワ
原案者Mark parker
価 格3,800円
分 類クロースアップ


1998年4月22日


最初に

マニアであれば、下の写真を見ただけで、すぐに「あのタイプ」のマジックとわかるはずです。 そうです。あれです。(笑) 一般に、"Out to Lunch"と呼ばれている例の原理を使ったものです。

マニアにとっては、あまりやる気のしないトリックの代表みたいなものでしょう。市販されているものだけでも相当な数のヴァリエーションがあります。しかし、全部が全部くだらないというわけでもありません。一部、気に入っているものもあります。例えば、『風船カード』『フーディニーの脱出』は原理と演出がうまく結びついており、悪くありません。また、他にも一部、例外的に気に入っているものがあります。今回のものはどうでしょう。

現象

ワインの入ったグラスが描いてあるカードが20枚ほどあります。グラスの脚にタグがついています。この部分に、観客にサインをしてもらいます。してもらったら、そのカードを抜き出し、本物の空のグラスの上にこのカードをもって行きます。カードをグラスの上で強く押さえると、赤い滴が出てきて、下のグラスに液体がたまります。飲んでみると、本物のワインです。カードを見ると、描かれていたワインは消え、グラスは空になっています。勿論、カードに観客のサインはあります。このカードをおみやげとして観客にあげて終わります。

 

実演後の印象

基本的な現象は以上のようなものです。
大抵のマニアは、マジックを始めたばかりの頃、この原理のトリックを一度や二度はやったことがあるはずです。そのため、初心者用のマジックという印象が強く、今さらやる気にならないでしょうが、状況次第では悪くないと思います。

最近はワインを飲む人が増え、日本でもごく普通になりました。私のようにマジックを見せるのは、どこかで食事をしながらというのがほとんどの場合、テーブルには大抵ワインがあります。そのような状況では、このようなカードを取り出すだけで「何だろう?」と思ってもらえます。輪ゴムでとめたワインのカードの束をテーブルの上に置いておくだけで、「そのカードは何?」と聞いてくれます。導入用として悪くありません。

で、実際に私がやっているのは次のようなストーリーです。

「ロマネ・コンティという、大変値段の高いワインがあります。1本10万円から20万円くらいです。先日、私はそのロマネ・コンティを飲む機会がありました。ある会で試飲させてもらったのですが、そのとき出てきたのは小さなグラスで、おまけに各グラスには各人の名前が書いてあり、このような名札がついていました。そのときのことを再現するために、ここにサインしてください。(観客に、名札にサインをしてもらう)

出てきたロマネ・コンティを見て、このグラス一杯でも数万円はするなと思うと、思わず持っていた手が震えました。緊張のあまり、手がすべてしまって、グラスを逆さまにしてこぼしてしまったのです。(カードから、ワインが出てくる)結局、折角のロマネ・コンティは飲めなかったので、そのときのカードだけでも記念にもらってきたのです。あなたも、このカードをおみやげにしてください。」

ざっと、ストーリーは以上のようなものです。この"Out to Lunch"の原理のものは、マジックとしてはそれほど不思議でもないのですが、カードの大きさが名刺サイズなので、自分の名刺の裏にこれを刷っておくと重宝します。最近のプリンターはよくできていますから、個人でもこの程度のものを作るのは簡単です。

実際、プロマジシャンの方から、このようなタイプの名刺をもらったことがありますが、今でもそのときのマジックを思いだし、時々ながめています。そのような意味では喜ばれるかも知れません。

プライベートな場で、名刺交換をするのが仰々しいようなときでも、マジックのおみやげとして渡せば自然でしょう。カードの裏に自分の携帯電話の番号でも印刷しておけば、相手も自然に名刺を出してくれます。

追加:カードから出てくるワインの量がもう少し多かったらよいのですが、添付されているギミックでは少ないですね。量としてはコーヒー用のスプーン一杯程度です。もう少し多くてもよいと思います。

魔法都市の住人 マジェイア


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