最初に

ゆうきとも氏の初のビデオです。

７種類のマジックが解説されています。

ビデオが氾濫している昨今ですが、１本のビデオの中にひとつでも使えるものがあればラッキーです。このビデオで解説されているものは、どれもすぐにレパートリーに入れたくなるものばかりです。一部練習が必要なものもありますが、大半はビデオを見たらすぐにできます。しかもどれも効果的なものばかりです。

現象

１．ミスリット 　

10年ほど前にデビッド・カッパーフィールドがテレビでやって有名になったマジックがあります。お札を二つに折り曲げ、折り目の部分にペンをはさみます。そのペンが、お札を通り抜けてしまうというマジックです。これはペンに仕掛けがあったのですが、ゆうきとも氏の方法ではレギュラーのボールペンでできます。 ペンがお札を抜ける瞬間も大変ビジュアルです。

２．サウンドビジネス 　

音を使ったイリュージョンを効果的に使っています。500円玉をマグカップに入れると両替されて、５枚の100円玉になってでてきます。

もうひとつ、即席のマイザーズドリームのような現象もあります。空中から100円玉を５枚出現させ、その都度、マグカップに入れていきます。５枚が入った時点でカップを見ると、500玉になっています。

３．チェンジ 　

カードを使ったメンタルマジックです。デックから５枚のカードを抜き出してもらい、その中の一枚を心の中でしっかり思ってもらいます。この間、マジシャンはずっと横を向いて、観客のほうは見ません。観客自身が自分でトランプを操作します。観客がカードを心の中で思ったら、マジシャンは観客の方を向き、５枚のカードをデックに戻し、シャッフルします。その後、観客のカードを当ててしまいます。

観客からすると、思っただけなのに当たるように見えるでしょう。このタイプのものは原理も方法も数多くありますが、これは大変簡単にできます。

４．限りなく赤に近いブルー

上のチェンジに続いて行います。観客のカード以外、すべてデックの裏の色が変わってしまいます。 デックスィッチの部分など、 初心者の人には参考になるはずです。大胆なことをしているのですが、うまい人は、このような部分が大胆なのです。実際には不自然さを感じさせない理由付けと、観客の意識が今どこにあるのかをよくわかっているからこそ、これほど厚かましいことをしても観客は何ら不自然さを感じないのです。そのあたりも勉強になるはずです。

５．左利き用のハンカチ

チャーリー・ミラーもやっていました。マジックのハンカチには右利き用と左利き用があり、左利き用のハンカチを右利きの人が結ぼうとしてもうまく結べないという話をしながら、マジシャンが自分で結んでも、観客が結んでもすぐにハンカチがほどけてしまうところを見せます。

普通に演じてもこのような演出で見せたら十分おかしさが伝わりますから、たいていの人は実演可能だと思います。

６．スリー・ツー・ワン

三本の同じ長さのロープがあります。二本を握ってから振ると結ばれています。残った一本はゆっくりと結んで見せます。結び目に息を吹きかけると反対側の結び目がポロリと落ちます。同じように、残った結び目も落ちてしまい、完全な一本のロープになります。

意外性の連続で、楽しめます。

７．C.C.ウェーブ

封筒から３色のマジックインクと４枚のカードを取り出します。カードはエースですが表は見せません。

まず３色のマジックインクから一本を選んでもらいます。今仮に緑が選ばれたとします。次にトランプの四つのマークから一つを選んでもらいます。クラブとします。 観客にマジックインクで、クラブのエースにバツ印を描いたところをイメージしてもらってから、テーブルの上にある４枚のエースを広げると、ダイヤのエースに大きくバツ印がついています。しかもそれは緑色のインクで印がついています。

マジックインクの色と、選ばれるカードの予言です。

コメント

本当に珍しいくらい実用になるマジックばかりです。最初、通して７つのマジックを見せて、それから解説をするというスタイルになっています。一つ見せては一つ解説よりも、このほうが見やすいと思います。

このテープで注意するのは、解説が終わった後、さらに30分間ほど対談があり、ここで紹介したマジックを考案した歴史などが語られています。これも大変興味深いものですので、ぜひご覧になってください。ある程度、ネタや本についての知識が必要ですが、どうやって考えたのか、そのプロセスを知ることはマジックを考案する人には参考になるはずです。

テープは3,800円という安さですので、この中のどれか一つでもマスターすれば、それだけで十分元が取れるでしょう。初心者からマニアまでお薦めします。

魔法都市の住人　マジェイア

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