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1998/5/23


金魚の出現

goldfish


夏向きのマジックです。

★現象

解説書にあったオリジナルの現象を最初に紹介します。

テーブルの上に水の入ったグラスがあります。
財布からお札を1枚取りだし、巻いて筒状にします。綿を筒の底に少し詰め、上から水を垂らします。綿に火をつけると一瞬光り、その後、筒をグラスの上に持って行くと、筒の中から水と金魚が出てきます。

★コメント

このネタは千円で販売されています。値段からもわかるように、ネタ自体はどうってこともないものです。ただ、うまくできているのは、水を入れたまま、体に保持できるようになっている点です。

原案では生きた金魚を1,2匹出すことになっていますが、生き物を扱うのはどうにも抵抗があります。セットしてから数分間くらいは大丈夫ですが、あまり長時間は持ちません。金魚が酸欠になって死んでしまいます。ちょっと金魚がかわいそうです。こういうのを、世間では「キンギョ迷惑」と言っています。(汗) (間違っても、こんなギャグは言わないでくださいよ、悪い見本として出しておいただけですから。絶対、どこかのオヤジが言いそうなダジャレなので、前もって釘を刺しておいただけですから(笑)) 

とにかく、普段から家に金魚がいて、見せる直前に準備できるのであればまだしも、どこか外部で演じるには金魚を一緒に移動させなければならないのでかわいそうです。

取り出すのは、無理に生きた金魚でなくても、水と一緒に取り出せるようなもの、例えば、小さなマリモを2,3個取り出しても涼しげでしょう。ただ、これに使うには、直径が1センチ程度でないと入りませんので、そのような小さいマリモが手にはいるのかどうか不明です。

または水草でもよいかも知れません。金魚を最初から小さな金魚鉢に入れておいて、お札から水と水草を数本出すのであれば準備も簡単です。

水草もないというのなら、お札で筒を作った後、下に綿を詰め、それに火をつけると、お札から水が出てくるだけでもマジックになるでしょう。中学のころ、理科の実験でやったことがあるでしょう?酸素と水素を入れておいて、電気をスパークさせると水になるという実験です。

実は、今回、このマジックを紹介しようと思ったのは、先日のデビッド・カッパーフィールドの東京公演で、彼が金魚を出すマジックをやったことを知ったからです。

私はそのマジックを見ていませんので詳細はわかりませんが、この公演に出席した友人が数名、レポートしてくれていますので、それを読むと、ざっと次のようなものです。

透明なグラスがあり、そこに水を注ぎ入れる。布をグラスの上にかぶせてから取り除くと、水が消えている。また布をかぶせると、グラスに水が戻っている。カッパーフィールドはこの現象を、月の石を取り出し、地球と月の引力で引き起こされる潮の干満の話をしながら演じます。最後に金魚を出現させて、「生命の誕生」というところに話を持って行くそうです。

どうです?随分洒落ていると思いませんか?私はこの手の話は好きなので、こんなストーリーがつけられるのなら、一度やりたくなりました。

この演出を知らなかったら、「金魚ギミック」も紹介しなかったでしょう。

先日アップロードしました「ストーリーのあるマジック」の参考にもなると思いますので、紹介した次第です。

このネタは、名古屋のマジックショップUGMから、「金魚ギミック」という名前で、千円で発売されています。


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