On Line Puzzle

 

「コウガン」の秘密

1999/1/30


ある大学教授が、ひなびた温泉宿に数日泊まっていました。

散歩をかねて近辺を散策しているとき、そろそろ昼時かと思い、懐中時計を取り出しました。見ると時計は止まっています。ねじを巻き忘れていたようです。

あたりを見渡すと、農夫が切り株に腰を下ろしてキセルでたばこを吸っています。その人に時間をたずねました。すると農夫は、自分のすぐとなりにいる牛の睾丸をキセルで2,3回持ち上げ、「12時だよ」と言ったのです。

この先生は驚きました。その日はそのまま旅館に帰りましたが、昼間のことが気になって仕方がありません。なぜあの農夫は牛の睾丸を持ち上げるだけで時間がわかるのか、考えれば考えるほど不思議で夜も眠れません。あのときは昼どきだったので、偶然当たったのかと思いましたが、どうもそうではなさそうです。

次の日、もう一度時間を変えて、昨日あの農夫がいた場所に行ってみました。すると運良く、昨日と同じように、切り株に腰をおろして、たばこを吸っていました。今日は時計を持っているので、時間はわかっているのですが、もう一度たずねてみました。しかもわざと中途半端な時間にたずねたのです。

農夫はまた昨日と同じように、吸っていたキセルで牛の睾丸を持ち上げ、「2時35分だよ」と教えてくれました。こっそり自分の時計を見ると、確かに2時35分です。

教授は旅館に帰ってから、いろいろと考えました。ひょっとしたら牛の睾丸は時間によって重さが変わるのだろうか……。12時頃何かを食べさせたら、時間の経過につれて重さが変わるのだろうか……。しかし、牛の睾丸で時間を知る民族がいることなど、今まで聞いたこともありません。時計の振り子と睾丸が似ているとは言え、あの農夫がガリレオやフーコーのように、「振り子」を研究しているとも思えません。

たまりかねて食事のとき、部屋に夕食を運んできてくれた旅館の若い女性に、昼間のことをたずねてみました。

「この村の人は、男性も女性も、時刻を知りたいとき、みんな睾丸を持ち上げるの?」

女性は、「そんな話は聞いたこともない」と言ったきり、二度とこの部屋に来てくれなくなりました。

翌日、もう一度、あの農夫と会った場所に行ってみました。今日もあの農夫は腰をかけてたばこを吸っています。教授の同僚にも、一日中たばこを吸いながら新聞を読んでいる人がいますから、別段そのことには驚かなかったのです。たぶん一日中たばこを吸うのが仕事なのでしょう。

農夫にたずねました。

「ちょっと教えて欲しいのですが、あなたはどうして牛の睾丸を持ち上げるだけで時間がわかるのですか?」

「なんじゃって?牛のコウガン?ああ、金玉のことか?」

「ええ、そうです」

「それは、****だからじゃよ」

上の「****」の部分を推理してください。べつに4文字ではありません。どうしてもわからない方は、下の「睾丸の秘密」をクリックしてください。

これが睾丸の秘密です!


backINDEXsomething 魔法都市入り口魔法都市入口
k-miwa@nisiq.net:Send Mail