種ガンのメカににつっこもう!

その一

 GAT-X105 STRIKE

 オーブ首長国モルゲンレーテ社製戦術歩行兵器 (GAT -Gressorial Armament Tactical-) 。地球連合軍が初めて実戦配備した人型装甲兵器、モビルスーツ。電力を消費して実体弾を無効化する PS 装甲、人型兵器駆動用電子装備 GUNDAM システム (General Unilateral Neurolink Dispersive Automatic Maneuver Synthesis System -単方向分散型神経接続による汎用自動演習合成システム) を持つ。固定武装には 75mm 機関砲「イーゲルシュテルン」、格闘戦用ナイフ「アーマーシュナイダー」を装備。基本装備だけでも戦闘可能ではあるが、砲撃戦用装備「ランチャーストライカーパック」、格闘戦用装備「ソードストライカーパック」、汎用装備「エールストライカーパック」を装備することでその真価を発揮する。ストライク用のオプション兵装では他にバズーカ (口径、名称不明) が登場した。

 ランチャーストライクの武装は 320mm 高インパルス砲「アグニ」、120mm 対艦機関砲 (名称不明)350mm 砲。120mm 機関砲と 350mm 砲はパッケージ化され右肩に装備する。

 ソードストライクの武装は 15.78m 斬艦刀「シュベルトゲベール」、ビームブーメラン「マイダスメッサー」、ロケットアンカー「パンツァーアイゼン」。

 エールストライクでは 57mm ビームライフル (名称不明)、格闘戦用ビームサーベル (名称不明)、対ビームコーティングシールド (名称不明) を持つ。

 さて、ざっと眺めたところでそれぞれ細かい所につっこんでみよう。

 PS 装甲については別途つっこんでいるので、まずは機体制御用電子装備「ガンダムシステム」である。名称が意味不明なのはおいておくとして、第二話の初戦闘時にキラがカスタマイズすることでようやく使い物になるのだが、その後砂漠戦になるまでいじられることはなかった。第三話の出撃時に武装パックを換装していたので、ランチャー・ソードともに素ストライクとは大きくマスバランスが異なるだろうと思うので、第三話が初換装であるならそれぞれにソフトウェアのカスタマイズが必要なのではないだろうか。まあ、USB 機器を初めてつけた時にドライバをインストールする必要がある様なものだ。またコクピットから直接カスタマイズできるインターフェイスはコーディネーターパイロットの搭乗を考慮していたとしか思えず、ナチュラル用の兵器としていささか問題だろう (連合の MS パイロットが機体制御ソフトのエキスパートというのは考えにくい)。その後の演出を考えるとカスタマイズ用の専用コンソールが外部にあった方がストーリーが盛り上がった様に思う。たとえばこんな感じだ。機体をかっぱらったザフトだが、ソフトウェアを現地でカスタマイズできないため四機の GAT は一度プラントに運ばなければいけない。とはいえ残るストライクもできれば奪取しておきたい (連合には一機も GAT を渡したくない)GAT はプラントへ送り、細々とジンの補充を受けつつアークエンジェルを追撃する。というものだ。ジン部隊が相手なら「戦闘に不慣れなキラ」「友人を守るためにやむなく戦うキラ」でも何とか生き延びられるだろうし、ザフトを間抜けにする必要がなくかつ、前半の戦闘にも緊迫感を出せたのではないかと思う。まあ「誰でも思いつくあと知恵」ではあるが。

 つぎに CIWS (Close In Weapon System- 近接防衛兵装。「シーウス」と読む) と呼ばれているイーゲルシュテルンであるが、実際に CIWS として機能した所をみたことがない。 CIWS であればある程度の距離に近づいた敵性兵器 (敵味方の判断は「敵味方識別信号、IFF」で行う) は「自動で」迎撃しなければならないだろう。これまでのところ単なる固定式機関砲である。もっとも、ストライクは格闘戦をも想定しているわけだから「敵が接近したら勝手に発砲する」様では使いにくくてしょうがないだろうが。

 次にアーマーシュナイダーだが、どういう訳だか折りたたみ式の上、腰の専用ケースに格納している。機械の腕が持つナイフを折りたたんでどうするのかよく判らない。機体に固定するだけで充分なのではなかろうか。ナイフに線が多くて描きにくいのであればそれこそ折りたたみ式にして線を増やす意味が不明である。それほど効果的に「折りたたみ式」が演出されているシーンもなかったので「要らんディテール」である。人で言う「袖口」あたりから飛び出す様にするだけで充分だったのでは?

 オプションのバズーカはロケット砲か無反動砲らしいのだが、不思議なことに水中発射可能である。それほど深度がなく、水圧はそれほどじゃまにならなかったのでは、という反論に対しては、撃たれた側の敵 MS が「水圧で圧壊」していることを申し添えておこう。


 ランチャーストライカーであるが、ほとんどエールのビームライフルでも対応可能な敵しか出てこないので、主兵装のアグニには出番らしい出番がほとんどないという「演出上、ストーリー構成上の問題」は挙げておく必要があるだろう。

 また右肩の武装パックに装備されている 120mm 機関砲はバルカン砲といわれるが、「バルカン」は GE 社製 20mm 回転式電動多連想砲 M61 の商標 (固有名詞) なので注意が必要だ。同様の砲身回転式機関砲でも A-10A 攻撃機の装備する 30 mm 径の物は「アヴェンジャー」だし、同じ 20 mm でも艦載されている CIWS は「ファランクス」と命名されている。尤もガンダム世界では口径を問わず同様の機関砲はすべからく「バルカン」なので、重箱の隅をつつく様な指摘ではある。

 ついで同じ右肩に装備される「ガンランチャー」も「砲の発射装置」では意味が通らない。ガンもランチャーも意味としてはほぼ同義なので、砲なのか特殊弾発射器なのかはっきりした名称にすべきだ。と、書いていたところ、「ガンランチャーは実在する」とのご指摘をいただいた。よく調べてみると件の「ガンランチャー」とは、アメリカの General Motors M551 シェリダン (1966 年から 70 年まで合計 1,662 台が生産。制式化は 1965 ) に搭載された「152 ミリ砲弾とシレイラミサイルを発射可能なガン / ミサイル・ランチャーの事 (Gun-launcher)」であるようだ。変に省略するから意味が通らなくなるのだな・・・。またロシアの BMP-3 M-60 A2 などほかにも「ミサイル発射可能な火砲」を搭載する車両は存在し、こちらも「Gun launcher (Gun-launcher)」と表記されている事から、ミサイル発射可能な火砲の一般名称らしい。SEED 世界でこのロートルとも言える兵装がどれだけ意味を持つのか不明ではあるが、まずは自らの不勉強を恥じよう。ちなみにシェリダンのシレイラミサイルは複雑な発射機構のため一度も実戦で使用されることなく終わった。


 ソードストライクについていえば、シュベルト・ゲベールは刃の部分にビームを使用するのだが、なぜだか切っ先だけがビームではない。斬撃には問題ないだろうが、刺突ができないではせっかく全長で 16m 近くもあるやたら長い刃渡りが効果的に使いないではないか。また「刀」といいつつもそりがないので、斬撃に対して折れやすくなると言う構造上の問題がある。シュベルトゲベールのような直剣は第一に刺突を考えるべきだ。

 マイダスメッサーは刃の部分がビームで、投擲すると原理は不明だが回転しながらかえってくる。それはいいとしても、ブーメランは衝撃で打ちのめす打撃武器なので、刃のあるマイダスメッサーはブーメランではなく手裏剣なのではないだろうかと思う。ソードストライク初登場の第三話ではどれもなかなかかっこよかった。ランチャーストライク同様、ほとんど「交換バッテリー」と化しており、ろくな出番がなかったのがとても残念だ。


 エールストライクについていえば、「汎用装備」としたのは失敗だったように思う。汎用ということは「とりあえずどんな状況でも使える」ということなので、エール以外の装備を用意する意味がなくなってしまうのだ。砲撃戦のランチャー、格闘戦のソードなのだから、エールは「高機動ユニット」として、射撃 / 格闘戦ともに苦手、というものにするべきだった。

 またエールで装備されるシールドは PS 装甲ではないはずだが、なぜだか実体弾でも傷つくことがない。この辺「PS 装甲の意義」が曖昧になってしまうので「実体弾は本体で受けてビームはシールドで受ける」という演出上の使い分けをし「思った通りに受けられなければ損害」という描写がほしかった。