ジョニー・ライデン

 キシリア ザビ麾下、突撃機動軍グラナダ基地 (?) 所属の MS パイロット。緒戦の戦功によりパーソナル カラー「紅」を許され、「紅い稲妻」の二つ名を持つ。最終階級は少佐。ア バオア クー戦後の行方は不明。MSV に、「高機動型ゲルググ」が「ジョニーライデン専用機」として紹介された事が初出。

 映像化作品はないが、シン マツナガ同様人気がある。同じ赤系統のため、「赤い彗星のシャア」にはちょっとしたコンプレックスがあるようだ。ゲーム「ギレンの野望 ジオンの系譜」ではシャアに対しタメ口をきいていたが、この時点でシャアは少佐、ジョニーは大尉 (中尉?) と階級差があるので、まずあり得ないことだろう。また、所属基地、軍が違う (シャアは宇宙攻撃軍ソロモン基地、ジョニーは突撃機動軍グラナダ基地) ので、出会ったかどうかさえ疑問である。

 彼の搭乗した機体としてわかっているものは、初期のザク F 型、中盤でのザクII R-2 型、終盤でもゲルググ (基本的には YMS-14 をベースにした MS-14S であるが、突撃ブースターを装備した俗に B 型とも呼ばれる機体である。あくまでも一説としてだが、ビームキャノン装備の C 型装備機搭乗というのもある) だけである。

 彼のかわった響きを持つファミリーネームについては、綴りを含めていくつかの説がある。少々調べてみたので紹介したい。

 最も風変わりな説としては「日本語の雷電である」というものがある。江戸時代後期の伝説的な関取「雷電為右衛門」がその説の根拠となっている様であるが、明らかな誤りである。その理由としては「雷電」は四股名であって、家名では無いという事実がある。つまり仮に雷電関に息子がいて、父親同様に関取になったとしても「雷電某」として戸籍に登録されるわけではないのである。ちなみに雷電関の実家は「関家」であるということも事実としてあげておこう。この場合の綴りは「Raiden」ということになるのだろうか。

 それよりもやや信憑性の高い説では「騎乗するという意味の英語 Ride の過去分詞形 Ridden である」という説もある。この説を補強するかの様に「MG 1/100 MS-14B/C」のボックスアートでは「J. RIDDEN」と明記されている。しかしこれはこれで難がある説だと思う。というのはこういった「動詞の過去分詞形をとるファミリーネーム」を見たことがないからである。ファミリーネームというのは「ある一族または家族」を指す言葉であるから、英語圏ではまず名詞なのではないだろうか。動詞に由来するにしても「〜するもの」と云うことで「Miller 粉挽き屋」や「Shoemaker 靴職人」、「Carpenter 大工」となるのが通常だ。過去分詞形となった姓というのは寡聞にして聞かない。まれな例としてロックバンド「Sex Pistols」に「ジョニー・ロットン」というメンバーがいるが、彼は常日頃マネージャーより「おまえは腐ったやつだ」と言われてたのである。つまり「腐れジョニー、Johnny Rotten」というニックネーム、まあ、「カールスモーキー石井」とか、「サンプラザ中野」のような芸名なのである。ちなみに彼の本名は「ジョン・ライドン、John Lydon」で、現在は本名の方で音楽活動を行っている。よって、件のボックスアートは「Ridden 説が発生してきた際に深く考察することなく採用された説」、極端なことを言えば「ミス」なのではないかと愚考するものである。

 もうちょっとマシな考えとしては「オランダ、ライデン市に由来する姓」という考え方もある。これには実例があり 15 16 世紀に活躍した画家、「ルーカス・ファン・レイデン Lucas van Leiden」のファミリーネームはライデン市出身と云うことに由来している。彼の一族かどうかは知らないが、ジョニーの出身地アメリカ合衆国にも Leiden 姓の移民がある様なのであながち否定は仕切れない。ただ当初からジョニーのイニシャルは「J. R」であるのでいきなり「L」になってしまうのは抵抗があるかもしれない。そういう御仁には「Rydon」や「Roydon」、「Ryden」という姓も実在することをお知らせしよう。若干「ライデン」という音からはイメージが変わってしまうかもしれないが、少なくとも「日本語の雷電」や「動詞の過去分詞形」などという説よりは実在する分だけマシでは無かろうか。