Zeonic MS-06FZ Zaku II (ザク II )

 F のマイナー チェンジであるとされる機体です。機動突撃軍マ・クベによる「統合整備計画」に沿って発案され、専用 (!) 90mm マシンガンなど兵装の変更、発電機や推進ロケットの出力向上が図られました。別項で紹介している、F2 よりも後に生産された、とされます。考証面ではめちゃくちゃな「0080 ポケットの中の戦争」が初出です。主兵装の 120 ミリ「ザクマシンガン」を 90 ミリサブマシンガンに、携行型240 ミリロケット砲「ザクバズーカ」をシュツルムファウストにそれぞれ変更していますが、実のところ、この変更がもっとも不可解な点なのです。

 主兵装の口径をご覧になれば判りますが、明らかに「弱く」なっています。連邦軍の量産型 MS である GM は、「ザクマシンガン」でも破壊できるかどうか判らないほどの重装甲を持っているのに、それをふまえた上での武装変更がこれです。全く持って意味不明です。ちなみに実際の主力火器で小口径化を図る場合、

  1. 「弾丸の大きさを小さくして、携行弾数を増やす」
    ザクの例でいえばそれまでの 100 発ぐらい入りそうなドラムマガジンから、25 発くらいしか入りそうにないストレートマガジンに変更されている為、装弾数の向上を目的としているとは考えられない。

  2. 「弾頭サイズを小さくした分、装薬量を増やして弾頭の高初速化を図る」
    確かに弾頭サイズも小さくなってはいるが、設定画を見る限り弾包全体がスケールダウンされている。つまり装薬量も少なくなっていると考えるのが自然で、それほど高初速化が図られたとは考えられない。

  3. 「余剰弾丸との互換性を持たせて、余剰弾薬を消化する」
    問題となる 90 ミリ砲弾はそれ以前のジオン兵器群では制式採用されておらず、余剰弾薬とは思えない。

  4. 2.と関連して、命中率を向上させる」
    砲弾の命中率が距離によって低下するのは主に空気抵抗のせい。ところが F 型の主戦場は宇宙空間なので、大口径かどうかは命中率にあまり関係ない

などを目的としますが、上記の通りこのザクについては「全く意味不明」です。そして、対艦兵装のバズーカをシュツルムファウストという無反動砲に変更していますが、4~5 発は装填可能とされるザクバズーカをわざわざ単発使い切りの物にしているのも不可解です。シュツルムファウストの元ネタになった単発対戦車無反動砲「パンツァーファウスト」はいってみれば「安価なだけが取り柄の対戦車兵器」で、私にいわせれば「兵装の価格をケチるのなら、ザク自身の改造をやめて機体価格を抑えなさい」といったところ。

 機体本体の出力向上も「推進剤の量はそのままで、全体として戦闘継続時間が低下した (これは、設定として明文化されています)」様ですので、艦隊決戦時の近接防衛用 MS として変更されたとするならまだしも、実際に登場するのはサイド3 を遠く離れたサイド6 ・・・。

 大戦末期の仕様とされますが、せっぱ詰まったジオンにとってこんなマイナー チェンジを作ってる余裕はなかったはずです (ましてや、良くするならまだしも使い物にならなくなっていますしね)。制作者側は世界大戦時のドイツのイメージをだぶらせているようですが、世界大戦は 4~5 年間、一年戦争はその名の通りたったの 1 年間です。たったの 2~3 週間でマイナーチェンジは出来ないと云うことが判っていないようです。また、同時期には時期主力 MS たる、ゲルググギャンの開発が進行しているはずで、連邦軍に配備された GM によってすでに旧式化したザクを改造するメリットが全然ありません。少なくとも武装が弱々のザクよりは、火力、運動性、機動性、どれをとっても上回っているリック・ドムの方がパイロットの立場からみれば、まだ魅力的ではありませんか?

 大戦末期、ア バオア クー戦などに投入されたザクは、新規に生産されたものではなく、単にそれまで生き残っていた機体と考えた方が自然です。あり得ないバリエーションの一つです。

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