ニセライト・オブ・ウツノミヤ物語(The Story of "Niserite of Utsunomiya")

 〜コクサン・ギター史に燦然と輝く!?フェイク・ギターは、こうして誕生した。

○第2回 こいつは謎のギターだぜ

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○どうも、御田です。

いいお正月でしたか。 年末のセッション?は、酔っ払いが沢山いてちょっと誤算でしたね(笑)。
ですが、貴兄の上達ぶりは確認できました。今度はちゃんとしたスタジオなり
邪魔の入らないところでやりましょう。

私はこの正月、どこにも出ないで、ひたすらギターの修理をやってました。
ヤマハのアコギと例の「モズ」です。前者はけっこううまくいって、
ネックのヒビ割れ修復、弦高ダウンに成功。

で、モズは大晦日、ちょっと鳴らしてみて、あー、こりゃいったい何だ!
ということで、即分解作業。
それで判明した不審な(というかまともでない部分)は……。

ちょいと長くなるけれど、こいつは国産ギター史で重要な(笑)話なので、
記録しといた方がよろしいかと……。

 1:ヘッドのロゴがヘン。書体が違うし、大きい。
 2:ボディが白、ネック、ヘッドも白。これはヘン。
 3:ピックガードの形状がヘン。左右幅が不足。
 4:ピックアップがヘン。カバーは多分ブリキ?
 5:ヴィヴラミュートの形状、構造がヘン。
 6:ネックとボディの接続がヘン。隙間が空いている。
 7:ナットは金属製だが、弦が入る溝が過大。
 8:ボディがヘン。なんとベニア合板であった(笑)。
 9:ペグがヘン。最低レベルのやつであった。
 10:配線がヘン。ごちゃごちゃ。ギター屋ならこんなメンドウなワイヤリングはしない。音は出ますが。

というわけで、タイヘンなギターです。

で、こいつはファーストマン製じゃないみたい。
以前ホンモノの(笑)ファーストマン・モズを見ましたが、
ヘッドには当然のごとく、VENTURES、OF CALI・・・のロゴが入ってました。商売上当然ですよね
HKさん、お気の毒ですが、ヘンなのつかまされた可能性が高い。
あるいはこいつはファーストマンのスチューデント・モデル(廉価版)かもしれませんが・・・。

そこで、私・御田はカッカと燃えたのであります。なんとか「楽器」にしてやるぞってね(笑)。

で、一昨日、高円寺の中古楽器屋、AVガレージってとこへ行って、ジャンクパーツを探しました。
そこの店長、ものわかりのいい男でいろいろあたってくれました。
収穫は、国産ハムバッカーが格安で(なんと1個1000円)手に入ったこと。
ボリューム、トーンが500円、トグルスイッチが1000円。
これでとりあえずまともな音を出す(笑)。

ボディ側は、ザグリなどかなりの加工が必要ですが。
もちろん配線はゼロからやり直し。
つまりピックアップ部は、貴兄のアリア・レスポールと同じ顔つきになります。

それからネック、ヘッドは塗装を剥がし、ナチュラルにします。といっても合板の木地ですが(笑)。
ボディ色は白では恥ずかしいので(基本的に白いギターはどうも……)思い切って塗り替えてやろうと思っています。
紺系がいいかなと……。
たぶん今月中にはカッコがついて、音がでるはずです(笑)。

手入れをする、調整する、弾くのは心得がありますが、今回のような「再生」は初体験。
いい勉強になります。木工と電気知識の。
まあ、私は模型少年ですから、なんとかなるでしょう。
年明けてまたバタバタしますが、目的があるので、いい息抜きになるなー(笑)。
そんなわけで……ではでは。

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○どうも、御田です。
> でも、スチューデント・モデルって、フェンダーにしてもギブソンにしても、
> 普通はもっとちゃんとしてるものではないんですか?(笑)

そういえばそう。
とにかく、おったまげたのは配線。糸のように細くて、ハンダもてんこもり。
ちょっとさわったら、ぽろりと(笑)。

> なるほど、ハムバッカー・モズライトができるわけですね。

いちおうカタチだけは(笑)。いったいどんな音がでるやら。
ピックアップは、まあB級品の中古ですからあんまり期待してません。
しょぼければ、またA級の中古を。すこしづつグレードアップ。
でも、もとがもとなんで、限界はありますね。

で、ヘッドにはインレタで「FAKE PROU」と鮮やかに(笑)。
ほかにいいネーミングありませんか?

追伸
謎のビザール・ギターですが、面白いWebページを発見。
「ミートショップこしみず」で検索してみてください。 栃木の宝積寺にある肉屋さんなのですが、
なんと肉といっしょに国産ビザールギターを……。
(以下、略)(^^)

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オリジナルでついてきたピックアップとPUカバーの、かなり情けないお姿
(笑)。経年変化とはいえ、このカバーはそもそもブリキ・レベル?

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御田を驚かせた“謎モズ”のチャチな配線と細いコードと、
さわればポロッと取れそうなハンダづけ。これまたジャンクな……。 (^^ゞ

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まずはピックアップ探し。御田が見つけてきたのは、用途はレスポール用と
思われる1個1000円のハムバッカー。ホンモノのモズライトのPUは、
大きく見えるが、実はシングルコイル・タイプ。このニセライト・プロジェクトは、
そのへんはまったくこだわらない。(^^)

○文&構成:iemura

次回に続く・・・・。