<2006.07.04 K.Kotani>アニメの作り方 アニメおもちゃ


自主アニメオンラインマニュアル

アニメの作り方


2006年07月04日

アニメおもちゃ



 「アニメおもちゃ」とは、映写機やスクリーン・テレビモニタなどの高度な機械を使わず、紙等の材料で作られた、動く絵を見る事ができる器具です。発祥は映画の誕生以前に遡り、最初は単純な動きの繰り返ししか出来なかったアニメおもちゃが徐々に発達するにつれ有る程度の長さのものができるようになり、最終的に映画映写機に発達しています。
 この「アニメおもちゃ」、おもちゃとはいえアニメーション固有の驚きと新鮮味に満ちており、現在でも各種のワークショップ、博物館などの体験講座等で使用され、大人から子供まで、簡単に作れて楽しめる教材として愛用されています。
 今回は、いくつかのアニメおもちゃの中から、ほぼ紙だけで作れるアニメおもちゃ2つを選んで紹介します。最初は「ゾートロープ」です。


 ゾートロープは上記のように、円盤の上に載った円筒の形をしたもので、円筒には等間隔でスリットが切られ、外側は黒く塗られています。円筒の内側にはスリットの間に少しずつ違った絵が描かれており、円筒を回転させながらスリットの間から円筒の内側に描かれた絵をのぞくと、次々と違った絵が現れて動いて見えます。この回転するゾートロープを上からのぞくと、絵の描かれた筒がぐるぐる回っているとしか見えませんが、スリットを通して断続的に見る事により、絵がスリットの前に有る一瞬しか見えず、次々に違った絵が瞬間的に入れ替えられていくため、動いて見えるわけです。
 昔レコードプレーヤーが各家庭にあったころは、ターンテーブルの上にゾートロープを乗せる事が出来ましたが、CDプレーヤーの上には乗せられないため、底の板の中心部に画鋲を差してビーズをかまして板か何かの上に止め、手で回すのが現代では最もお手軽のようです。
 もう一つは「フェナキストスコープ」(驚き盤)です。


 驚き盤はより単純な形で、一枚の円盤に放射状にスリットを切り、片面を黒に塗り、反対側のスリットの間部分に少しずつ違った絵を描いていきます。この円盤の中心を画鋲で割り箸などに止め、くるくる回して見るわけですが、黒い面から見るために、鏡に写さないと見る事が出来ません。


 驚き盤単体で動きを体験できるものとして、改良版の「ヘリオシネグラフ」があります。これは2つの驚き盤を向かい合わせに固定して一体的に回すもので、お互いが相手の絵のシャッターのはたらきをします。ただし、少々おおげさな仕組みになるのが難点です。


 アニメおもちゃの最大の魅力は、非常に単純な仕組みでありながらアニメーションの動きを体験できることにあります。高度な動きを見たいのであれば現在ではビデオでもなんでもあるのです。驚き盤など、一見団扇にしか見えないものですが、その上でいろいろなものが動いてみえることにこそ驚きがあると思われます。

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