<2002.04.29 K.Kotani>CGAコンテスト上映会


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2002年04月29日

CGAコンテスト上映会

 4月28日、大阪千里中央のよみうり文化センターにおいて、第14回CGアニメコンテスト 入選作品上映会(関西会場)が行われました。会場には700名を越える観客がつめかけ、ほぼ満席の盛況でした。今年は主催者によりますと「審査員の見方によって作品毎の評価が大きく異なり」(だからいろいろの立場の審査員をお願いしているのでは?)「作品によって優れている点がいろいろなので」(多様性に富んでいるということで喜ばしいのでは?)「合計した得点が結局各作品とも大差なく、グランプリが決まらなかった」そうです。
 特別上映された「ほしのこえ」(これ普通はセルアニメに区分されておかしくない作品と思いますが)含め、従来CGアニメーションと言えば3DのCGをパソコン内で駒撮りしていく作品が中心であったと思いますが、アニメ制作へのパソコン利用が一般化するにつれてCGアニメコンテストにも従来手書きアニメとして認識・分類されていた作品がどんどん出品され、入選・入賞しています。また自主制作アニメーションの大半がビデオ作品となり(かつ8mmフィルムの作品をそのまま上映する環境が各地で失われ、フィルムもビデオ化されて上映されている)、また、機材の改善により現状ではもはやほとんどの作品の画質もテレビで放送してもなんら問題のないレベルになっております。この状況について主催者側からは「昔はCGアニメを作るプログラムを作れるプログラマしか参加できなかった。ひと昔前はパソコンのある理系の関係の人にしか参加できなかった。現在では芸術系の大学にもパソコンがあり、個人でも製作できる環境が整ったので今後は期待できる」という趣旨のコメントがありました。まったくそのとおりだと思います。
 グランプリはなかったものの入賞した4作品はいずれもレベルが高く、かつ傾向・手法・方向性などが大きく異なり、数年前までよくあった「とにかく動く映像を作ってストーリー順につないだだけ」という作品とは異なって映像表現として自立した作品となっていました。ただ、いずれも「決め手」に欠けるというか、個々 の映像パーツのクォリティの高さを作品の中に活用しきれていないために、各作品とも「ここで終わり? 言いたいことはこれだけ?」という部分がありました。この点は今後パソコンでアニメーションを作るという事がより一般化し、普通に8ミリやビデオを使うように、技術的な部分を意識せずに制作に取り組む事が出来るようになれば自然に解消していくだろうと思われます。
 今後はCGアニメーションというものはアニメのジャンルではなくなり、コンピュータを利用して制作されているという事が観客に意識される事がなくなっていく方向に進んでいくのではないでしょうか。



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