<2002.09.03 K.Kotani>2002 広島国際アニメフェス


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2002年09月03日

第9回国際アニメーションフェスティバル広島大会

 8月22日(木)から26日(月)までの間、広島市アステールプラザにおいて、第9回国際アニメーションフェスティバル広島大会が開催され、会場は多数のファンで賑わいました。


今回は23日のコンペ2の途中から4日目のコンペ4までの参加となり、全プログラムに参加できたわけではありませんでした。(といっても、5日間参加しても全部のプログラムが見れるわけではないのですが。)

コンペ
 結果として観ていない初日と2日目の途中までの作品に受賞作が集中しました。ので、受賞作へのコメントはほとんどできません。相変わらず高レベルの作品があつまっており、ヒロシマのメインプログラムで有り続けています。今回は日本からも『朱の道』(村田朋泰作品)が優秀賞に選ばれています。なお、会場を大いにわかせた「スキージャンプ ラージヒル ペア」(真島真一郎作品)は、甥っ子旋風吹かず、号外発行も及ばず、観客賞その他の賞からはもれました。

学生優秀作品集
 今回の目玉はこれ。24日以外毎日小ホール(前回のフレームイン会場)をほぼ占拠して6プログラムが各2回ずつ上映されました。中にはインコンペの作品も多数含まれており、レベルの高さは折り紙付き。世界的にアニメーションの高等教育が充実してきている事の立証でしょう。

子どものためのアニメーション
 24日には全会場で4プログラムが2−3回ずつ上映されました。プログラム2で上映された「オオカミなんかこわくない」(リオネール・リシェラン作品)は全然子ども向きではないようです。悪ガキとなった三匹の子豚と親指トムが善良な老オオカミにオヤジ狩りを仕掛け、(親指トムが老オオカミを遙か雲海の上まで引きずっていくシーンがすごい)ぼろぼろになった老オオカミが森をさまよっていると赤ずきんちゃんが「まあ気の毒に。おばあちゃんのところでお茶でもいかが」(このお茶がしびれ薬入り。)(この赤ずきんちゃん森の木々の中をすり抜けるようにして空を飛ぶ。)最後に老オオカミがキレて悪ガキどもは全滅するのですが、解放感もなにもないというすごい(ひどい)作品。普通の何気ない作品にこういう出物が混じっているので嬉しい。そういえばNHKでおなじみ「カペリート」もここで観るとひと味違いました。また、プログラム4の「老婦人とハト」(前々回グランプリ作品)も子供向きではないようですね。

アニメーションと瞑想
 参加された方の話しによると、「瞑想」というより、「睡眠・休憩」していたそうですが、上映された作品は素晴らしかったようです。なお、作者のグラビキさんはフレーム・インで展示の説明と質問を受けていましたが、この質問が高レベルかつ的確でなかなかよいものになりました。

マッキントッシュ展
 故 宮澤みきお氏が担当しておられた「ムービーペイント」でアニメーションを作るコーナー。今年は新iマックも入っていました。

キッズ・クリップ
 世界の子ども達の作品上映と、粘土アニメ・驚き盤などの体験コーナー。無料・夏休み中とあって多数の子どもで賑わっていました。

ASIFA JAPAN20周年記念展
 ASIFA JAPAN関連の展示・所属作家の作品上映など。

野坂昭如戦争童話集 忘れてはイケナイ物語り 展
 こどものためのアニメーションでも映像化された作品が上映された「野坂昭如戦争童話集 忘れてはイケナイ物語り」の原稿・原画などが展示されていました。

フレーム・イン
 多目的スタジオ・小ホールが学生優秀作品集に占拠されたため、昔の7Fの研修室に逆戻り。今年の大会は大ホール・中ホールに加えて、小ホールでもメインプログラムが行われたため、大いに盛り上がりヒロシマ中毒患者まで出た前回に比べて、やや会場がさびしくなりました。4時半位からの海外の作家・関係者を迎えての通訳付きの企画も客はパラパラで、せっかく海外からこられた方に申し訳ない位。11時くらいからの作品上映はなかなかの入りなのですが、海外の方の上映が少なく、(24−25日でインドの方の1本だけ)日本の作品上映を友達が見に来ているという感じでした。司会もやや堅かったような気がします。ほとんどがビデオ上映の中で、唯一16ミリ上映だったのが昔アニメ塾に参加されていた小山英治さんの16ミリ新作。なんとカメラは入手できたが映写機が手に入らないため、試写を兼ねての上映ということになりました。立体を中心とした内容はなかなかのものでした。「アニメーションと瞑想」のグラビキさんの他、オランダのASIFAの教育活動の紹介や、アメリカの大学教育の現状などの紹介もありました。アメリカでもアニメーション業界への就職は厳しく、インターネット関係の中小企業への就職が多いとか、アメリカの学生にも日本のアニメファンは多く、「日本のアニメの真似をするな」と教えているとか、(通訳では。英語では「JAPAN ナントカ ENEMY」とかいうてましたが。)

ラッピー友の会 オープニング歓迎パーティ
 今年は盆踊りでなく、市内の店を借り切っての開催となりました。この店が狭く、満員電車状態でした。

ASIFAパーティ
 参加出来ませんでしたが、いつもの西村ビルの屋上で開催さ れたようです。

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