<2003.02.24 K.Kotani>映像のコスモロジー7 岩井天志個展


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2003年2月24日

映像のコスモロジー7 岩井天志個展



 2月8日(土)午後2時から、神戸市のアトリエ2001において、最近では人形アニメ「玉蟲少年 A CLOCK INSECT」を発表された岩井天志さんの個展が開催され、学生時代の習作「ミクロコスモスの胚種」と人形アニメ「独身者の機械」ならびに「玉蟲少年」のメーキングビデオが上映されました。ご本人は急用との事で残念ながら来場されませんでした。「玉蟲少年」は高画質のデジタルカメラで取り込んだ静止画像をパソコンで加工・修正し、最終的にフィルムに焼きつけて高画質の映画にするという手法で製作され、「企画書を出したがどこも予算をつけてくれなかったので製作できなかった」が、とある大学が「機材の実験と学生の実習」という事でカメラを提供してくれたため制作できたそうです。「この高画質はこの作品のためにあるようなもの」というコメントがビデオの中にありましたが、残念ながら「なぜ高画質が必要なのか」 というところまではビデオの中では表現されていませんでした。(このビデオ自体は岩井さんの制作ではなく、テレビ局の番組のようでした。念の為。)また、多数の学生達がパソコンで画像を一枚一枚修正・加工していましたが、岩井さんとクリエイティブな面でどういうふうに関わっているのかと言う事についてもあまりのべられておらず、「パソコンの技術を覚える」という技術者育成という面が強調されていました。(岩井さん自体が作家性を前面に押し出すと言うタイプでなく、職人的な制作姿勢の作家であるという事も関係あるのかも知れません。)なお、この「玉蟲少年」は以前KAVCの「アニメーションひろば」で上映された作品です。

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