<2003.12.28 K.Kotani>「蓮如とその母」上映会


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2003年12月28日

「蓮如とその母」上映会



 12月21日、茨木市・ローズWAM (茨木市立男女共生センター)において、川本喜八郎さんの長篇人形アニメ「蓮如とその母」上映会が行われ、また、安東民兒氏(プロデューサー)の講演「川本アニメの魅力と映画作りへの道」も行われました。
 当日会場には熱心な人形アニメファンが集まりました。
 講演と、上映後の質疑応答の中では、川本アニメを作る、いわゆる「川本組」の制作の雰囲気がつたわるようなお話がありました。日本画のようなバックを背景にした部分では、普通の平面アニメのように、カメラを上から撮影するとか、通常の4倍の量の照明を間接で当てるのですごく暑いとか、その三脚を撮影中に足にひっかけて動かすとその場で「お帰り下さい」になるとか、(撮影のカメラの三脚でなくて、照明の三脚ですよ。)納期が間に合わなくなって海外から35ミリカメラをかきあつめたとか、数十体の人形が動くシーンでは、4人で分業して一人10体づつ動かすとか(頭の中がぐちゃぐちゃにならんのでしょうか)。上映後ロビーでは川本さんの絵コンテのカラーコピーと、スクリプト(セルアニメのタイムシートのようなもの)が公開され、観客の皆さんは実際に手にとって見る事ができました。
 作品の方も黒柳徹子人形や岸田今日子人形が出てくるとか(声はもちろん本人)いつもの川本アニメに比べて親しみやすい部分もありましたが、全編高いクオリティの画面で、長篇にもかかわらず時間一杯堪能できる内容でした。なお、この作品は川本作品の中でほぼ唯一ソフトが発売されていない作品だそうで、理由としては長篇のため企画的に難しい事、また、既に他界された方が関係者に多く、権利関係が複雑な事だそうですが、現在DVD化に向けて努力が進められているそうです。

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