<2004.07.24 K.Kotani>CGアニメコンテスト「外伝」作品


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2004年7月24日

CGアニメコンテスト「外伝」作品



 第16回CGアニメコンテスト入選作品上映会で上映されなかった作品(つまり入選でない)作品が「外伝」作品集として発売されています。
 この「外伝」とは、入選作品が、あらゆる点で水準以上の作品が入選する傾向にあるため、個性的で癖のある作品が入選しないために、落選作の中から純粋に「面白い」という基準で、多少欠点があっても「面白い」という作品を集めたものです。(芸術作品を評価するのに「面白い」という以外の基準がどこにあるのかという気もしますが)
 その中で純粋に「面白い」と思えた作品を紹介します。
 まず、水江未来「FANTASTIC CELL」です。著作権の関係か作品集には音楽をカットした状態で収録されていましたが、単純な単細胞生物の発生から次第に複数・複雑なパターンに進んでいくありさまが心地よく描かれていました。同じ動きをコピーしてあちこちに貼付けていくというCGアニメ特有の技法も活用されていましたが、基本的に手描きの細胞の絵柄の面白さと単純で深みのある動きで贅沢に作られた秀作です。


 次に堀内良平「どどろ」です。粘着感のあるどろどろとした生き物があらゆるものを飲み込んでいく様子をこれでもかこれでもかと丁重に書き込んだ作画の力には感服しました。


 この二作品とも、本来ならば入選・入賞でもおかしくない力作ですが、「外伝」収録に留まっているのは「あまりにCGアニメらしくない」という点でしょうか。
 「FANTASTIC CELL」にはさすがにCGでなければできない表現も一部にありましたが、「どどろ」はほぼ全部手描きアニメで、CGであるという事を言わないと分からない作品でした。
 コンピュータを使う事により個人の表現の幅が広がり、こういう素晴らしい作品が次々に作られていく時代が来た様です。

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