2005.06.28 K.Kotani>
日本アニメーション学会 大会
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月刊近メ像インターネット
2005年06月28日
日本アニメーション学会 大会
第7回日本アニメーション学会大会in 多摩美が6月25-26日の両日、東京都八王子の多摩美術大学にて開催されました。今回のテーマは「アニメーションをデザインする」という事でした。今回特別プログラムとして川本喜八郎氏の新作「死者の書」の特別上映があり、完成までの約1年の間撮影が多摩美で行われた事、群集シーンの人形約30体が多摩美の学生によって製作された事などが川本監督自身によって説明されました。今回はOPアニメも多摩美の学生さんによって製作されており、若い世代の台頭が続いている事が分かります。
初日の特別プログラムとしてはもう一つ「カールおじさんの時代」として、伝説のCMアニメ「カール」について、ディレクターの高杉治朗さんとアニメーターのひこねのりおさんにより、当時のエピソードなどが語られました。同時に数々のカールのCMアニメとひこねのりおアニメートのCM数本が上映され、場内は大いに湧いていました。
二日目の特別プログラムは現在第一線で活躍中の創作集団「ROBOT CAGE」の野村辰寿氏と3人の若いアニメータが登場し、現在の仕事ぶりなどが紹介されました。
最後の特別プログラムは高畑勲監督による、「二人の巨人・ジャック・プレヴェールとポール・グリモー アニメーションをめぐって」として、「やぶにらみの暴君」と「王様と鳥」を中心とした話をされましたが、時間がなく最後まできけなかったのは残念です。
この他研究発表では原口正宏氏による「ファイトだ!!ピュー太」の研究発表が、DVD発売に伴う当時のスタッフのインタビューなどから得られた成果を活用して圧巻の内容でした。特に「この部分はこのアニメータがやった」とカットとアニメーターを対応させて見せながら解説を入れるあたりがすばらしい。
来年の大会は「沖縄」に会場を移すそうです。楽しみです。
kotani@mx1.nisiq.net