2005.11.24 K.Kotani>
NEW BOOKS The Animated Movie Guide
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2005年11月24日
NEW BOOKS The Animated Movie Guide
「 The Animated Movie Guide」Jery Beck編、(執筆者4名) Chicago Review Press 2005年9月刊、348ページ $26.95 (\3480)
1926年から2004年12月31日までの79年間、全米で劇場公開された長篇アニメ(外国含む)308作品を紹介した労作である。興味深いのは各作品の評価に「Star Ratings」(星印採点)がつけられている事。日本でも戦後早くから映画評論家・双葉十三郎氏が月刊「スクリーン」誌で、「ぼくの採点表」として星印で評価されていた。アメリカの本が真似したとは思えないがアイデアとしては面白い。星印評価は星なしのゼロが「Pure Torture」(見る価値無し)星一つが「Poor」(お粗末)星二つが「Mediocre」(よくも悪くもなし、つまり凡作)星三つは「Excellent」(優秀)、星四つは「A Masterpiece」(傑作)の4段階評価。星半分の1/2も付加されている。作品の星評価に次ぎ、「コメント」つまり解説と簡単なストーリー、主要制作スタッフが紹介されている。各作品には1点のモノクロのスチルが1点掲載されている。とにかく作品の評価は選定者の主観によるが、79年間の308作品という長篇アニメのデータは圧巻で、資料的に貴重といえよう。日本の宮崎作品は大半が星4つの好成績だが、はたして「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」がアメリカ人に理解されての採点だったのかいささか疑問ではある。
アニメーション研究家 渡辺泰さん
kotani@mx1.nisiq.net