<2006.01.28 K.Kotani>毎日映画コンクール 大藤賞


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2006年01月28日

毎日映画コンクール 大藤賞



 今年の第60回毎日映画コンクールの大藤賞(正式には大藤信郎賞)に、岸本 真太郎さんの「Tough guy ! 2005」が決まりました。作品はこちら東京ビデオコンテスト2006のページから「全編」見れます。便利な世の中になったものです。
 大藤賞はかって日本のアート・アニメ(当時はそう言う言葉は使われていませんでしたが)が受賞する事の多い日本で唯一のアニメーションのコンテストであり、「ルパン三世 カリオストロの城」が受賞した時は「意外」という感じがしたものです。
受賞作品一覧
受賞作品を見てもアニメーション作家の自主作品も多く、TVまんが、長篇アニメ、大藤賞系作品が日本のアニメーションだった時代がありました。
 その後のアニメーションの急速な拡大により、もともと比較の困難なアート系作品と劇場作品が「交互」に受賞するような状態となり、毎日映画コンクールにはアニメーション大賞が劇場用アニメ−ション向けに追加されました。
 大藤賞はテレビ用作品を除くフィルムによるアニメーション作品が審査の対象でしたが、最近の制作形態の流れを反映し、今回からビデオ・DVD作品も対象となりました。杉並アニメーションミュージアムが事務局となり、鈴木伸一さんが膨大な応募作品の整理に当たられたようです。
 昔はアニメーションの賞といえば大藤賞だけ(でもなかったかもしれない)でしたが、最近のアート系の作品のコンテストとしては広島国際アニメーションフェスティバル、DoGA CGAコンテスト、ラピュタアニメ-ションコンテストのユーリ・ノルシュテイン大賞などがあります。それぞれに方向性が異なり、広島国際アニメーションフェスティバルは国内だけでなく、むしろ海外の作品が主体で、日本の作品が予選を通過するのが数本だけで、入賞しなくても入選するだけでもかなりのステイタスになる高いレベルのコンテストです。DoGAのコンテストはCGアニメに特化しており、作品の芸術的表現の高さよりもむしろCGアニメーションの表現を拡大した作品を評価する傾向に有り、広島で予選を通過した作品が選外佳作にとどまるなど、独特の方向性を持ちます。ユーリ・ノルシュテイン大賞は若い作家のコンペという色彩が強く、学生のチャレンジ対象となっています。
 こうしてみると、毎日映画コンクールの一部門で、受賞作品が一作品しかない大藤賞は、日本で一番伝統の有る、入賞の難しい賞といえますが、現在のように多種多様の作品が大勢の作家によって作られるようになると、他のコンテストのように、複数の賞があってもよいのではないかと思います。アヌシーがカンヌから独立したように、公開コンペで予選通過作品を上映する等、日本国内作品に限ったイベントとしての展開も良いかもしれません。


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