2006.02.05 K.Kotani>
KAVC 関西若手アニメ作家大特集
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月刊近メ像インターネット
2006年02月05日
KAVC 関西若手アニメ作家大特集
2月4日、KAVCの地下スタジオ1において、KAVC映像ワークショップ2005の講座の一つとして、「KAVC 関西若手アニメ作家大特集」が行われました。卒業生の方を含めて京都造型芸術大学の学生さんの作品19本、キンダーフィルムきょうとで作られた、子供さんの作品「ちょうドいなか村」アニメーションスープの作家の4作品、米正万也さんの「Believe in it」が上映されました。
会場には作家の日野馨さんや作品を出品した学生の方も見えられ、作品を作った時の話等もありました。
学生さんの作品の内、ミニDVテープに録画された作品でなぜかブロックノイズと圧縮のひずみが目立ちました。後で聞いた所、「元のテープから上映用テープにカメラ同士でダビング後、カメラで再生したときは問題なかった」との事なので、デッキとの相性の問題かな?という感じでした。デジタル画像はきれいですが、意外ともろい部分があるようです。特に止まっていたりゆっくり動いている部分ではあまりノイズは出ないのですが、カメラを振ったり、早い動きでは輪郭がガタガタになります。DVDでも起る現象のようで、TV番組を録画してダビングしたものでも過去にノイズが出ているのを見た事が有ります。
作品の内容では、子供達の暴走・快進撃アニメ「ちょうドいなか村」は別格として、後半の作家作品と前半の学生作品の間には当然差があるわけですが、技術の差というよりも、メディアを使用して「表現」するという事に対する対して、直感的感覚がつかめていないのではないかと思われました。昔8ミリフィルムでアニメを作っていた頃は、当然目の前にフィルムがあり、その1コマ1コマを目で確認し、「あ、これが映写機を通って上映されると動くのだな」という、非常にわかりやすい環境で制作したわけなのですが、現在はスキャナーでパソコンに取り込んだデータとしての絵を加工して映像データとして「出力」するという方式に替わっており、「コマ」「モノ」という感覚がつかみにくくなっていると思います。
永田ナヲミさんの作品「FRANK」は砂アニメの手法で作られた、複数作家による「FRANK」連作の1作品ですが、自作のマルチプレーンスタンドに背後から白熱電球を当てて、ガラス板の上にまいた砂で図形を作りそれを上からコマ撮りしていくという細かい作業で作られたもので、「1日1秒」ずつしか製作が進まないそうです。まことにアナログな手法ですが、イメージを映像に定着させて行くという意味では、目の前に実体としての素材があるわけで、「わかりやすい」手法でもあると思います。今後映像を学ぶ方には、皮膚感覚で作る、という意味で、アナログーな手法で作る、ということも必要かなと思いました。
kotani@mx1.nisiq.net