2006.02.19 K.Kotani>
映像のコスモロジーX 水上 弘個展
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月刊近メ像インターネット
2006年02月19日
映像のコスモロジーX 水上 弘個展
2月18日、神戸市のアトリエ2001において、今年で10回めとなる「映像のコスモロジー」Xの水上 弘個展が行われました。水上弘さんは97年頃からイメージフォーラムの講座に通う等実験映画の制作を始められ、現在静岡在住ですが、アニメーション80の上映会に作品を出品されるなど、ほぼ年に一本のペースで制作を続けられています。この日の上映作品は9本、1本は8ミリ、1本は8ミリがビデオでのテレシネ、7本はビデオ作品でした。一貫してカメラ直の対象コマ撮り(8ミリはそのまま、ビデオはデジカメで撮ったデジタル写真をアニメ化、ソフトによる加工は原則行わないそうです)した作品で、天文学的タイトル(物凄い量という意味でなく、「恒星日」や、「光行差」など天文学用語を使用)を付けられていますが、天体撮影用の自動追尾装置を使用して天体を追ったり、なかなかマニアックな手法の作品でした。(鏡や水面に写った対象を追うには、軌道を「裏返す」とか) 撮影されているものも、建物(ロの字型高層共同住宅とか)水面、天体など、無機的なものが多く、細かくなめらかにコマ撮りした結果、動きがさらに作品に無機質性を加えていました。しかしながら、全体的には分かりやすい作品でした。現在は8ミリでやっていた事をビデオでやりながら、ビデオならではの特質を生かした表現を模索中という事だそうで、今後の作品に期待したいものです。
kotani@mx1.nisiq.net