2006.06.19 K.Kotani>
NEW BOOKS 「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2006年06月19日
NEW BOOKS 「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか
「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか 大塚英志/大澤信亮 角川書店 角川ONEデーマ21新書 本体743円。2005年11月10日 初版発行。
センセーショナルなタイトルではあるが、今や日本の主要輸出産業のひとつとなり、「国策」として振興が進められているアニメーションについて、まんが原作者/評論家である著者が、安易な盛り上げムードに警鐘を鳴らした好著。「アングラとして発展してきて盛り上がっているのに国はよけいなちょっかいをだすな」「日本アニメではハリウッドでは勝ってはいない。吸収されていくだけ」など、きびしいお言葉。また、日本の漫画の歴史から説き起こすなど、論理的な展開もおもしろい。戦時下のまんが/アニメについての記述も魅力的。国策としての批判に、乱立するジャパニメーション系大学への著者独自の視点からの批判もあり、そういう見方も有るのかと思わせる。必読。
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