<2006.08.24 K.Kotani>HIROSHIMA 2006 開幕


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2006年08月24日

HIROSHIMA 2006 開幕



今年で第11回になる広島国際アニメーションフェスティバルが8月24日に始まりました。今年も会場はおなじみアステールプラザ。大中小の3ホールに加え、フレーム・イン、ネクサス・ポイントでの持ち込み上映の5会場に加えて、キッズ・クリップでの子供達のアニメ上映もあり、全部見られないという事が年々増えていく感じです。前回はまだ1プロを大中ホールで2回上映という事がありましたが、今回は全プログラムが一回きりの上映です。

 また、展示スペースの映像メディアゾーンですが、前回まではぱらぱらの展示だったのですが、今回は最近ネズミ算のように増大している大学のアニメ学科関係の展示が一挙に増え、日本中のアニメ学校が集まったのではないかという感もありました。(大阪芸大の配りものセットにはなんとTシャツまで入れてある。)
 初日はフレーム・イン/ネクサス・ポイントとも申し込みが始まったばかり、という事で上映は見れませんでした。
 初日は小ホールでの学生作品、大ホールでのベストオブワールド1、ルネ・ラルー回顧上映を途中からと見継いで、「マギア・ルシカ」、開会式、コンペと観ました。
 今回学生優秀作品は1-10まで10プログラムもあり、(!?)そのひとつめのプログラムでしたが、アニメを作る若い人がどんどん増えていて、レベルもどんどん上がっているというのが実感できました。
 ベスト・オブ・ワールドは今回6プログラムの内の1つめですが、フルCGの作品ながら、なにか手作りの雰囲気の残る「ドット・ジャンキー」が印象に残りました。砂アニメの「ザ・ギフト」も良い作品だったのですが、途中でこちらが沈没してしまいました。
 一昨年亡くなられたルネ・ラルー氏の回顧上映(開会式での木下小夜子氏の発表によると、今年からコンペに「ルネ・ラルー賞」が追加になったそうです。)ですが、途中から入ったのですが、なぜかやや画面が暗いような感じでした。昔北市民教養ルームで観た「かたつむり」を懐かしく拝見しましたが、これは「野菜畑で大ピンチ」に続いたという事でしょうか。(「野菜畑で大ピンチ」は25日上映予定)
 「マギア・ルシカ」は旧ソ連のスタジオで仕事をしていた作家達へのインタビューを中心としたドキュメンタリー。「狼と赤ずきん」で広島のファンにはすっかりお馴染みのガリ・バルディンから、秋の季語となりつつあるノルシュテイン、ヒートルークなどおなじみの作家が作品と共に次々登場してはソ連崩壊前後のロシアアニメ事情について語ります。ソフトにもなっている(なる)ようなので、広島に行けなかった方も御覧になると良いかも。後半、作家の方が「こんな暴力的なアニメがテレビで放送されてみんな喜んで観ている!」と怒るシーンでバックに「ポケモン」が流れていて会場には笑い声が。その一方で「熊のブーさん」をソ連・ディズニーでほぼ同時期に製作してソ連版をアメリカに持っていってややウケたとか、ディズニーアニメを観て「これは普通の人間に作れるものではない。魔法使いの技に違いない」と思ってアニメスタジオにはいるとみんなただのおっさんだったとか、現場の息遣いのつたわる部分もありました。お値打ち。
 とはいえ、同じ時間帯には「死者の書」の上映があり、川本喜八郎さんの来場もあって多くのかたはそちらを見に行かれた様です。
 さて、いよいよコンペ。なんといってもコンペ。広島と言えばコンペ。です。他のプログラムは人によって見ない人はいても、コンペだけは全部の観客が鑑賞体験を共有する場所です。
 なんとなく日本のマンガ的な絵柄とユニークな発想で会場の笑いを呼んだ「ア・バックボーン・テール」、前回グランプリの山村浩二氏が手堅くまとめた「年をとった鰐」少々ごちゃごちゃしているが、金妻ネタが今となっては新鮮な「モリール・デ・アモール」、満場の会場の共感を呼んだ小ネタ「サイトプラズム・イン・アシッド・エンヴァロメント」、リアルな質感のあるアニメートと、空気を感じる演出の「ディン」ボールペンがロケット弾として(ロケット団ではない)が宙を舞う「レッツ・シー・ユア・アイディー」など、今回のコンペはいいんでないかい、と思わせる初日でした。
 開会式が押した事もあり、終了は予定を30分以上オーバーしたようです。終了後例によって歓迎バーティが隣接の厚生年金会館で行われました。毎回おなじみのメンバー、新しい顔ぶれなどが集うパーティでした。

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