2006.08.25 K.Kotani>
HIROSHIMA 2006 開幕
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月刊近メ像インターネット
2006年08月25日
HIROSHIMA 2006 二日目
広島フェス二日目。午前中は続・かたつむりの「野菜畑で大ビンチ」が上映されていましたが、「ベスト・オブ・ワールド」に回りました。おバカなシャーロック・ホームズが爆笑もので、後で知り合いに聞いても「面白い」という作品でした。
さらにスイス特集を続けて観ましたが、最初の頃のフィルムは退色して赤くなっていました。最後から2本目の人形アニメは、人形が虚構の世界から「撮影されている人形」という世界に入る所が新鮮で、人形が見上げるとボレックスのカメラが見下ろしていたり、最初に出てくる酒場で酔いつぶれかけているおっさんがどうみてもサンダーバードのパーカーだったり、いろいろ楽しめる作品でした。
午後は主としてフレーム・インに回りましたが、最初のプログラム「中国アニメ事情」はスムーズに進みましたが、次のプログラムで突然絵が出なくなりスタッフはパニック。結局AVセレクタの接触不良と判明しましたが、上映できなかった大阪デザイナー学院の皆様はお気の毒さまでした。
フレーム・インの最後は国際審査委員でもあるクロード・ルイエ氏のQ&A。通訳もちゃんとついての内容なのに参加者が少ないのはもったいない。その日のコンペに上映のあったジュルジュ・ジュビツゲーペル氏と同じ場所で仕事をされているとかで、ジュネーブとアヌシーが近いのでフェスを見に行ってすぐにスタジオを作ったとか、スタジオはこぢんまりとしていて30平米(10坪、20畳)だとか、一緒にスタートしたメンバーのうち一人は今は抜けていないとか、主な仕事はグラフィックデザインだとか。ちなみにアニメは全くの独学だそうです。スイスでも最近芸大にアニメ学科ができたが、就職はフランスとかイギリスに出て行かざるを得ない状況で、最近はアニメーターの水準が上がっているので厳しい状況とか。スイスはカナダと同じような他民族国家ですが、カナダのような国家の支援はない様です。また、今回特集で上映されている作品を観ても人口で過半数を占めるドイツ系よりもフランス系の作家が目立つのは、やはりフランスが相対的にアニメ先進国という事でしょうか。
会場前では、小野耕世さんのサイン会もありました。
その後のコンペはまたレベルが高く、観客賞の投票に迷いました。日本のアニメの影響があるのかな、と思わせる「ドラゴン」、油絵アニメが今やなにげなく用いられている「カルチェ物語」、スイスの巨人ジュルジュ・Sの新作「技」、ついに出たか禁断の掟やぶり「ミート・デイズ」(親子で人肉を食べる話でございます)きれーにまとまっているが同じくらい罰あたりの「アストロノーツ」など、素晴らしいと言うかなにか。人形アニメはどれも動きが繊細でカチャカチャしておらず、微妙な表情までよく表現されていました。
今年のラッピー友の会パーティはマリーナの先の空き地で、少々交通は不便でしたが、場所・企画は良かったです。
「バーペキューの陣頭指揮をとる木下小夜子氏」
会場では作家の方々と話し込むファンの姿もみられました。
「小池照男さんの笛に聞き入るペトロフ氏」
12時前からぼつぼつと宿泊先の関係で戻る方がおられましたが、宴はいつまでも続いていました。
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