<2006.08.27 K.Kotani>広島フェス 四日目


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2006年08月27日

広島フェス 四日目



 広島フェスもついに四日目。今朝は先日のラッピー友の会で話をしたオーストリアの作家の方も関わられている事もあり、朝一は子供アニメに入りました。世界の各地の子供たちの作品の上映と、ぱらぱらマンガの表彰式がありました。子供達のアニメの中にはフルCGの作品もあり、内容がパレスチナのいまの状況にそった内容であることもあり、子供たちの作品と思えぬほどの完成度と、楽し気な内容とは別に瓦礫の山と化したレバノンの現状に考えさせられる内容でした。

 その後直ぐにフレーム・インに移動。昔アニメ塾で御一緒した小山英治さんの新作(途中ですが)の上映を見ました。人体の発生をいろいろな資料から段階の絵をとって間を想像で埋めて行くという作画のパターンいろいろの積み重ねですが、全カット一こま撮りという凄い試作品でした。相原信洋さんのコメントは辛めでしたが、今後に期待してのものと思います。映画としての見せ方は工夫がいるとしても、個々のカットは魅力に満ちた動きのものでした。小山さんに続いて京都造型芸術大学の通信課程の紹介がありましたが、皆さん作品造りに挑まれている様子が伺える内容でした。

 昼からはスイス・アニメ、学生優秀作品、ベストオブワールド5と観つぎました。きれいに仕上がったCMの「ユナイテッド・エアラインズ・ア・ライフ」、CGにしては笑える「ザ・ラスト・ニット」が印象に残りました。
 その後もう一度フレーム・インに戻って、デジタル・ハリウッドの学生CG作品と、ばらばらまんが喫茶の発表を観ました。デジタルハリウッドの作品は技術的レベルはなかなかのものがありました。いろいろなぱらぱら漫画を展示したぱらぱらまんが喫茶展示ののぱらぱら漫画はバラエティに富んでおり、手描きの他、パソコンで打ち出したものを張り合わせてぱらぱら漫画にしたものなどいろいろありの内容でした。
 さらに最後には大会名誉会長のノーマン・ロジェと国際審査委員のマーシィ・ペイジの両氏が招かれ、Q&Aが行われました。ノーマン・ロジェ氏はアニメーションの「音」について、(音とは、効果音、音楽、台詞など全てを含めた音響効果について)、マーシィ・ペイジ氏はNFBについての作品の企画・制作状況に付いてのトークをされました。「音」について、最近の若い人はパソコンで簡単に音が作れるので、簡単に付けてしまうが、作品全体の事を考えながら慎重に考えて作らなければならない、と言うような内容の事が語られました。
 コンペ最終日、怪作「ラビット」登場。真っ二つにしたウサギの中から出てきた魔法の小人が、虻や蚊をどんどん宝石などに変えてくれるので喜んだ男の子と女の子が、もっと全世界を手に入れようと小人に与えるジャムを買いに出ているうちに小人が死んでしまい、宝石もなにもかも元に戻り、戻ってきた男の子と女の子は死んでしまう、というお話なのですが、絵柄と全然そぐわない残酷で強欲な男の子と女の子の表現や、あらゆるものにつけられた英語の名前のコメントがキャラクターと共に画面を動き回り、あたかもテレビゲームでポイントを上げているようにいろいろな物が変わって行くというあたりが、映像でえげつなく表現されていました。
 最後のペトロフの「初恋」は例によっての圧倒的な油絵アニメ。観客席もすべて圧倒する内容でした。

 終了後はいつもの西村ビル屋上のASIFAのパーティ。作家達とファンたちが入りまじって盛り上がっていました。



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