<2007.10.19 K.Kotani>NEW BOOKS 日本で初のアニメーション作家 北山清太郎


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2007年10月19日

NEW BOOKS 日本で初のアニメーション作家 北山清太郎





 「日本で初のアニメーション作家 北山清太郎」津堅信之 臨川書店 ビジュアル文化シリーズ 定価2400円+消費税 「アニメ作家としての手塚治虫」につづく、津堅信之氏のノンフィクション力作。北山清太郎については日本のアニメーション史においても非常に簡単な記述しかなく、ほぼ同時期に作品を発表した下川凹天が「日本最初」のアニメ作品を発表したという事もあり、いままではほとんど知られていなかったと思う。作品についてもほとんどが散逸しており、短い断片しか残されていないが、当時の雑誌や新聞、著述等を丹念に調べ、現存する関係者へのインタビューを重ねて、作家・アニメーションプロダクションの創設・経営者としての北山清太郎の実像を描き出す事に成功した。
 とにかく読んでいて面白い。資料をあたり、インタビューを重ね、資料とデータの検証を重ねて具体的な活動の実際が明らかになっていくさまは、上質のミステリーを読んでいるようでぐいぐい引き込まれる。
 これで実際の作品が見られれば文句ないのだが、津堅氏は今後作品が発見される可能性についても言及しており、楽しみである。
 なお、この臨川書店 ビジュアル文化シリーズでは、今後「日本アニメーションの父 政岡憲三」(渡辺 泰)も予定されている。



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