2009.4.5 K.Kotani>
韓国インディ・アニメ上映
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2009年4月5日
韓国インディ・アニメ上映
4月4日から、「韓国インディ・アニメーション映画祭withアニメーション・スープ」がPLANET+1とシネ・ヌーヴォXで始まり、初日は大阪韓国文化院4F 韓カフェで座談会+交流会がありました。
座談会に参加したのは韓国からカン・ミンジ、ウォン・ジョンシク、パク・ジヨンの三氏、日本からはanimation soupのヨシムラエリ・K.Kotani・ウエマリインの三氏が参加しました。
韓国には自主制作アニメの助成制度(!)があり、(ソウル市と国と別々にあるらしい)その制度を利用して作品制作が出来るそうです。日本で言うとピアのPFFアワードみたいなものでしょうか?
韓国の自主アニメにはCGが多く、日本の様に粘土や人形などの「生」の素材を使ったアニメが少ないようなので聞いてみると、「3DのCGで出来るのでわざわざ生の素材は使わない人が多いが、韓国でも少数だが生の素材でアニメを作る人はいる」との事でした。
日本と韓国のそれぞれでの制作環境や制作のきっかけなどについての話がありました。
座談会後、animation soupのオルガニート。ユニット雷蔵によるパフォーマンスと、パク・ジヨンさんの「都市で彼女が避けられないモノたち」の上映がありました。
上映後は会場の後ろで交流会。韓国インディ・アニメーション作家協会のチョイ・ユージンさんの話によると韓国ではでっかい上映会場(ホール)はあるが、日本で言うミニシアター程度の会場がないので、自主アニメの上映には苦労するとの事。(飲食店の規模も日本に比べると大きいそうで、なんでも大きい方がいいらしい?)
韓国インディ・アニメーション作家協会のホームページはこちら
交流会後、会場をPlanet+1(すぐ近く)に移して、上映会。先日のてれれの上映会場も近くでこの近辺は映像関係の会社とか団体とかが多いらしい。
まず日本代表(!?)animation soupの「陽」プログラム。約一時間の作品上映後、作家のトークと質疑応答。
つづいて本日最後のプログラム、来日三監督の作品上映。上映後、作家トークのコーナー。写真左は、韓国インディ・アニメーション作家協会のチョイ・ユージンさん。その横、「都市で彼女が避けられないモノたち」のパク・ジヨンさん。空中につり下げられた家のゆらゆら揺れる中での演技が素晴らしい。その横、「吹き出物」「紙一枚」のカン・ミンジさん。「紙一枚」の紙の折り曲げによる表現は非常に緻密なものですが、細かいチャートなどは作らず現場で一発で決めたとの事。紙の折り曲げは裏面に針金を貼付けたそうです。最後、3DCGアニメ「ウォーターメロンチキンズ」「千年キリン」パク・ジョンさん。登場のキャラクターに似ているとの事ですが、「今日は目が腫れているのでよけい似ている」との事でした。「映画から影響を受けた」そうですが、なるほど「ジュラシック・パーク」が出てきました。
韓国でも自主アニメで生活をするという事はやはり出来ず、生活は生活、制作費は別途調達で支援制度を利用している人もいればそうでない人もいる。将来はアニメーションを作りながら生活したい、との事でした。
韓国の自主作品は個人の表現と言うよりは、個人のモチーフをベースにして、「期待されるレベル」まで質を引き上げた作品と思えました。参加の日本作家の感想を聞いても、「作品のレベルは高い」という声が多く聞かれました。
この上映は、10日まではPlanet+1、11-17日はシネ・ヌーヴォXで行われます。お勧め。
kotani@mx1.nisiq.net