2009.7.11 K.Kotani>
日本アニメ学会 第11回大会
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2009年7月11日
日本アニメ学会 第11回大会
6月27日(土)-28日(日)の両日,神戸芸術工科大学において、日本アニメ学会 第11回大会が開催されました。関西での開催が続いておりますが、なかなか開催校の手が挙がらず,来年は広島での開催になる、との事。
この神戸芸術工科大学、ガンダム・アリオンの安彦良和氏が教授を勤めておられ,「現在はアニメは引退してます。」と言いつつ、元気な姿を見せられていました。
メインテーマは「商業アニメの過去と現在」との事で,(「未来」はないのか?)TVアニメの脚本家・作家として有名な辻真先さんの講演から始まりました。(時間があればいくらでもしゃべられそうで、ほとんどアニメ制作漫談。聞かないと損。)
引き続いてのシンポジウムでは、「商業アニメの過去と現在」をテーマに現状の報告と分析がなされました。「若手アニメーターは育っているのか」との質問には,神村幸子さんが「ちゃんと育ってます!」南雅彦さんが「育ってますよ」と、中核となっている人たちが育って来ていないのではないかという見方を明確に否定。ただし、アニメーターの低収入については,アニメーターの年収は大体50-1000万の間であると言う事,ほとんどがフリーのアニメーターであるために、会社側からは収入の把握が困難であるが、もし昔の東映動画の様に社員として雇ったら、アニメーターの経費が現在の3倍になり,制作会社が皆潰れるという事等が述べられました。アニメーションの「金」については「コンテンツ」という言葉が業界を横行しているらしく、「コンテンツきらい」という本音がちらりと出たりしてました。(117億のハコモノはやはり「要らない」ようです。)
続いて28日の研究発表は、最近恒例のA・B会場の同時発表で全部は聞けない仕組みですが、どうも発表の「コア」が見えない発表が多く,「報告・感想」として拝聴いたしました。研究のテーマとしては面白いものもあり、最初のマンガ・アニメのメディア変換技術に関する発表など突っ込みどころ満載なのですが、時間がない。各発表とももっと煮詰めれば、だしも出るし,次の発表につながるポイントも出てくると思うのですが・・・。
全国総会に負けない様に,学会大会がんばれ!
kotani@mx1.nisiq.net