<2009.9.12 K.Kotani>NEW BOOKS  小説手塚学校 1&2


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月刊近メ像インターネット


2009年9月12日

NEW BOOKS  小説手塚学校 1&2





「日本動画興亡史 小説手塚学校 1 ~テレビアニメ誕生~ 」「日本動画興亡史 小説手塚学校 2 ~ソロバン片手の理想家~」皆河 有伽  講談社 税別各980円。いや面白かった。3巻が待ち遠しい。内容はすでにいろいろな手塚本で紹介されたものの集成のようだが、現場の雰囲気が伝わってくるようだ。作者はライトノベルの作家からスタートしたようだが、緻密な準備作業があったと思われる。
 鉄腕アトムの最初の頃のムチャクチャな作り方など、近年のシステム化したアニメ制作から考えると「ありえねー」の世界だ。何しろ,脚本無し,絵コンテなし、いきなり手塚治虫のラフ画から作画に突入,撮影現像がすんでもどのカットがどれか手塚治虫本人しか分からず,編集までいちいち本人が指示していたというのだから。まるで自主制作だ。
 最初の頃の絵コンテが廃棄されてしまい、バンク画の整理に差し支えるというので、ゴミ箱等から絵コンテのラフなどを回収し,くしゃくしゃの紙をのばすのに「アイロン」を備品購入申請したという話も傑作だ。
 「手塚先生の伝記はさんざん読んだ」という方も一読をオススメしたい。

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