<2009.10.04 K.Kotani>驚き盤を作る その1


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2009年10月04日

驚き盤を作る その1



 「驚き盤を作る」といっても、回すと動く驚き盤を作る訳ではなく,驚き盤を作るための白紙の驚き盤を作る,という事です。2000年に徳島アニメ学校が終わった時,残った驚き盤を約2000枚ほどもらいました。「これで10年は持つ」「10年もやるんですか」という冗談を言い合っていましたが、その10年が来てしまい,残るは200枚ほどで、ぼちぼち補充が必要な時期となってきました。ところが、「表が白,裏が黒の厚紙を丸に切り抜いて、時計盤のように12カ所に穴をあけたもの」というと結構高くつくらしく、何千枚も発注すれば安くなるのでしょうが,何千枚も発注する金もなく,自作を試みる事にしました。
 ところが、「表が白,裏が黒の厚紙」というのがなかなか無く,カラー工作用紙の黒,というのがわりと近いのですが、裏面にスケール線が印刷されていてダメ。厚紙に印刷をして作ろうとすると,ネットで見る限り結構な単価になります。
 そこで、白上質紙の分厚いもので作る,という事を考えました。サイズはA4で、紙幅が21センチあり、余白をとって直径20センチの円形が入ります。白上質紙に驚き盤の形と窓、中心点をコピーで印刷し,その裏を黒く塗ればいいわけです。135Kの上質紙はA4で一枚5円くらいです。
 ところがこの紙と言うものは、水性の塗料で塗るとべこべこになります。昔,最初の広島フェスのワークショップでは、厚紙にマジックインクの補充液を塗っていましたが,大変な臭いでした。そこで、黒の色上質紙(A4 で一枚4円くらい)を貼付ける事を考えました。ところが、水性ののりで貼付けるとやはりぼこぼこになる・・・という事で,油性ののりで貼る事を考えました。ここで登場したのがスプレーのり。普通のスプレーのりは貼って剥がせるタイプですが、しっかりはれるタイプも有り,小サイズで700円くらいです。ところが結構量を使う為,1本で20枚位しか貼れませんでした。紙代+糊代で原価が一枚44円になります。
 ここでネットで「スコープ おどろき盤セット」というのを発見。「20セット 鏡1枚付き」で525円と安い。送料含め,4つ買うと2730円で、80で割ると1枚30円台になります。これにしとこうか、切り抜く手間も要らないし・・・と発注して、届いてびっくり。「20セット 鏡1枚付き」というのは、20セットまとめて発注すると鏡を1枚サービスでくれる、という事だったのです。1枚原価は700円! だめだ・・・
 さらにネットで安い油性ノリを探すと,「スチロールボンド」と「スチのり」というのがどうもそうらしい。が、ネット上で調べても成分が不明。で、画材屋に行って「スチのり」の一番小さいのを買いました。367円。

 成分は,というと、酢酸ビニル,エタノール、アセトン。酢酸ビニルというのは木工用ボンドの成分ですから、木工用ボンドをアルコールで溶いたもの、という事らしい。画材屋さんによると、「スチロールボンド」も基本的に同じもの、という事でした。「スチロールボンド」の大型サイズは粘度を下げてあるとありましたので、アルコールを増やしてさらさらにしてある、という事でしょう。

 材料の白上質紙と黒上質紙です。

 白上質紙をトレス台に印刷面を下にして置きます。トレス台を使うのは,ノリをつける場所を分かりやすくする為です。

 黒上質紙を重ねて右はじを止めます。

 黒上質紙を右にめくります。このまま白上質紙にノリを塗って、ぺろっと戻せばずれる事無く貼れます。(スプレーのりでも要領は同じですが、トレス台は不要。ただし、箱かなにかの中で作業しないとまわりがベトベトになります。)

 スチのりのキャップを外して逆さにしてペタっと白上質紙に立てて、周りの部分と穴の場所、中心の点の部分にのりを付けます。「スチロールボンド」の大型サイズはキャップの部分にはけがついているとの事で,その方が作業はしやすいでしょう。

 黒上質紙をぺろっと戻してはりつけます。画材店の方によると臭いはあまりしない、との事でしたが,若干においはしますので、風通しの良い所での作業がいいでしょう。気になる仕上がりですが,水性の木工用ボンドと比較します。右がスチのり、左が木工用ボンドです。やはり水性のりはべこべこになっています。

 10枚作ってみました。のりの方は5分の1くらい減っています。1本で50枚位は作れそうです。一枚8円として、紙と合わせて一枚17円です。

 カッターナイフで窓を明けます。最近の(昔から?)小学生はカッターナイフで作業をすることがないので、子供用には窓を開けてあげないといけません。下にはダイソーの100円カッティングマット(A4)を敷いています。

 
 最後にはさみで丸く切り抜いてできあがり。ここの部分は実際には子ども達にやってもらう予定です。


 さて、次回は「裏面を黒く塗ってみた」をお届けします。
 

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