2010.09.20 K.Kotani>
NEW BOOKS 「日本のアニメーションを築いた人々」
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2010年9月20日
NEW BOOKS 「日本のアニメーションを築いた人々」
「日本のアニメーションを築いた人々」若草書房 税別1250円 叶 精二著
東映動画からジブリに連なる6人のアニメーター(近藤喜文・小田部羊一・奥山玲子・大塚康生・森康二・大工原章)の列伝。なかなかに面白い。著者による丹念な取材が素晴らしい。
2004年の刊行で「NEW BOOKS」ではないのだが、現在でも新刊で入手可能。東映長編・宮崎アニメファンにはおすすめ。
とはいえ、この本に描き出された商業アニメの第一線と、アート系の表現の世界とは、やはりほど遠いものがある。いくら量が多くても、ストーリーのある商業平面セルアニメーションはアニメーションという表現方法の「一部」でしかない。「アニメーションとは何々だ」「アニメーションの基本は何々だ」という議論をする上ではそのあたりをきちんとふまえる事が必要だろう。