<2010.12.20 K.Kotani><HR>初期の鈴木卓爾 誰も寝てはならぬ上映会


毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌

月刊近メ像インターネット


2010年12月20日

初期の鈴木卓爾 誰も寝てはならぬ上映会



 12月23日から26日まで、神戸映画資料館において「初期の鈴木卓爾 誰も寝てはならぬ上映会」が開催され、25・26日には監督のトークも行われました。
 劇場版「ゲゲゲの女房」がこの秋に公開された鈴木監督ですが、Aプログラムの高校時代の処女作「街灯奇想の夜」(1984)はペーパー・切り紙・セルを組み合わせた8mmのアニメーションで、技術より、「ものを表現しようとする意志」が作品作りには重要だという事を考えさせられる作品でした。Dプロの「ヒドラと踊ろう」は演劇に入り込んでいた時代に舞台の合間にかけるために作ったアニメーションで白黒線画のドローイングの作品でした。(サイレントですが、「英語版」もあるとの事で両方観て納得。)
 トークでは、PFF審査員特別賞を早くに(1987)取りながら長編監督としてのデビューが最近になった点について、「実は話が来ても脚本が全然進まず、(しびれを切らした?)プロデューサーが脚本家を連れてきて脚本を書いてもらう事で作品が出来た」というような話で、アニメーションは脚本じゃなくて絵コンテから入ってるので、実は字で書くのが苦手のような話でした。
 「ヒドラと踊ろう」はドローイングで相当の枚数を描いたとの事で、「アニメーションというのは描いていればいつかは出来上がるが、実写は撮ってみないとどうなるかわからない、実写をやってる人はみんなそうだからやってるのだと思う」という話でしたが、実写の方いかがでしょうか?
 PFF受賞作 長編「にじ」は現在のオリジナルは若干縮めたバージョンで、上映されたのは受賞当時にデュープされた元のバージョンでしたが、あまりの長さに上映中挫折した方も出たそうで(実はこの回は観ていない)監督自身「こんな長い作品、 よく審査員が観て賞をくれたな、と思った」というようなトークもありました。
 さて、「誰も寝てはならぬ」というタイトルの上映会でしたが、25日のAプロでは昼一の上映だったせいか、最後のへんで観客席のあちらこちらに戦死者の姿が見受けられました・・・26日のDプロでは、上映された作品の内容にもよりますが、上映後監督のトークが始まった時点では全員元気でした。(ほぼ満席に近かったです)

近メ協のページに
もどる
近メ像のページ
もどる
アニメのページにもどる
ホームページにもどる