2011.10.16 K.Kotani>
ICAF 京都上映
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月刊近メ像インターネット
2010年10月16日
ICAF 京都上映
10月15-16日と、21-23日まで、京都市の「京都国際マンガミュージアム」にて、「ICAF(インターカレッジアニメーションフェスティバル)2011」が開催されています。
15日は、Aプロ「東京造形大」と、「多摩美術大」の作品が上映されました。
また、京都特別プログラムとして、「タマグラ・アニメーションの奇跡 追悼・片山雅博教授」として、この2月に亡くなられた多摩美術大の片山雅博さんの業績と思い出が紹介されていました。
片山さんは若い頃に多摩美を「落ちて」いたそうで、「落ちた人間が教授なんてやっていいのかねぇ」と言っていたそうです。
最初の授業では、「5-6人じゃないですか」と言っていたところ、63人も受講生が集まったそうです。その後、片山さんの教え子の「タマグラ(多摩美のグラフィック)」出身者からはアニメーションの才能ある作家や指導者が頻出し、「タマグラの奇跡」となったとの事。
片山さんは秘蔵のアニメーション作品を惜しみも無く学生たちに見せ、学生たちは今まで見た事も無いイメージの作品に驚いたそうです。(そう言えば昔、「授業ではどんどん作品を見せるんだよ。ところが、「ダビングさせて下さい」と言ってくる困った奴がいるんだ。」とぼやいておられましたな。)
また、いろんな作家と親交のある片山さんは世界的に著名な作家さんとかに若い方をどんどん紹介し、「いいものをみなくちゃだめだよ」としょっちゅう言っておられたそうです。
学生さん達は、最初はトレス台もなく、窓に向かって絵を透かしたとか、やまむら浩二さんの自宅兼仕事場で初めて「タップ」を見たとか、昔の自主制作作家には懐かしいエピソードなどもあったそうです。
「パソコン」は持っていないが、「ケータイ」は持っていて、原稿は全部ケータイで打ってメールで送っていたとか、カンバッチをいっぱい付けたスーツを持っていて「ここ一番」の勝負時に着用していたが、カンバッチの数がどんどん増えていって重たくて仕方なかったというお話もありました。
片山さんが、自分が育てた作家さんの作品を上映しながら、片山さんが解説するビデオも上映され、いまさらながら、惜しい方が亡くなられてしまったんだな、と思いました。