<2011.12.04 K.Kotani>「緑子」公開
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2010年12月04日
「緑子」公開
2011年11月、全国で黒坂圭太氏の新作長編「緑子」が公開されました。10年以上の製作期間と、3万枚を超える作画(ただし、このうち初期の数千枚は使用されずに「没」になったそうです。)という膨大な規模の作品でありながら、ほぼ黒坂氏個人で製作された手書きの大作です。
11月27日には、大阪市のシネ・ヌーヴォXで黒坂氏が舞台挨拶、「枚数の割合に動きが少なく思われるかも知れませんが、作画の大半は、作品の「世界」を作り出す為に費やされています。」とコメント、なんと来年には某社から「美少女の描き方」の本(!)を出されるそうです。
肥料工場の上に建つ奇妙な共同住宅、奇怪な半人間の隣人たち、屋上農園で野菜を栽培して自活する少女、ここまでは作画が黒坂氏でなければジブリの設定でもおかしくない世界で、「ジブリの作画ならどんな画面かな」と不謹慎な想像をしながら鑑賞しました。
ディズニーやジブリのような流暢なフルアニメではないけれど、鉛筆でぎっしりと書き込まれて画面が動く動く、さびれはてて廃墟と化しつつある町、だだっ広い共同風呂、地下(一階)の地獄のような肥料工場など、魅力にあふれた画面をしっかり楽しませていただきました。
同時上映で黒坂氏の過去の短編作品も上映、観客は「黒坂ワールド」にしっかり引き込まれていました。
