<2012.04.20 K.Kotani>アニドウ・ミュージアムは詐欺にあらず


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2012年04月20日

アニドウ・ミュージアムは詐欺にあらず



 昨年11月に活動を「休止」したアニドウですが、 ホームページを拝見すると、以前と変わらず活動されている様で、「ありゃ、再開されたのなら再開したと書かないと。」とホームページの中を見ると、「再開した」とは書いていないのだが、3月に望月さんの追悼上映会などもされているので、どうも再開したような感じだ。
 ついでにアニドウ・ミュージアムのページを見ると、「基金の募集」で、目標額16億5000万円! ! 一口1000万円!!となっていて、「現在入金の実績なし」になっている。たしかミュージアム構想を2002年に打ち上げた時には、目標額10億5000万円、一口10万円だったはずだが、その後構想の拡大により、金額を増やしたのだろうか。
 2002年当時、このアニドウ・ミュージアムの話は、自主アニメ関係者の間で相当話題になっていたが、その後募金が順調に集まったという話もなく、建設が始まったという話も聞かなかったので、「立ち消え」かと思っていたが、計画はまだ生きているようだ。
 ところで、一部のネット上の掲示板で「アニドウはミュージアムを建設すると言って一口10万で募金を集めておきながら、完成予定の2010年になっても着工もせず、募金の収支明細も明らかにしない。募金の詐欺ではないか。」というような趣旨の書き込みがあったが、これは明らかにおかしい。
 詐欺というからには、「ミュージアムを建設する意志もないのに、「ミュージアムを作るから」という事で金を集めて懐に入れてしまっている」という事だと言っている訳だが、アニドウ会長のなみき氏がこのミュージアム構想を打ち上げた時のなみき氏の周辺の状況からして、なみき氏が当時本気でミュージアムを作る気であった事は明白である。ミュージアムを作る為の土地はご親族のかたより提供を受け、ミュージアムの内容である各種コレクションは、故・杉本五郎氏の業績を継承したフィルムコレクション「杉本コレクション」(当時の発表資料より)を中心として、なみき氏が現在も収集活動を続けている。後は建物の建設費と運営費用が集まればミュージアムは出来るのだから。
 また、現在は「入金実績なし」となっている基金だが、(「入金実績なし」ならば、そもそも「詐欺」にはならないだろう。ミュージアムを本気で作るつもりだったのだから、「詐欺未遂」にも該当しない。)2002年当初の10万円単位の募金なら、なみき氏の親しい方などから数口の入金はあったかも知れない。しかし、「ミュージアムが予定時期に完成しない」からと言って、文句を言う権利はお金を出した本人にしかなく、その本人が黙っている以上、周辺で関係のない方が「詐欺」呼ばわりする権利はない。(お金を出したご本人がもしいれば、なみき氏本人に、「どうなったの」位は口頭で言っているかもしれないが。)
 このミュージアム、当初は2010年完成予定とされていたが、現在は2016年完成目標、または2020年完成目標(どっちだ?!)とされている。また、ギャラリーの仮オープンのため、東京都内杉並区において、低家賃の事務所や廃校などを当たっているとの事。(予想されている直下型大地震が来て、世界的に貴重なコレクションごとぺしゃんこ・または灰燼にならないよう祈る。)
 ところで、2002年に構想を打ち上げた頃には「完成すれば世界で唯一」だったアニメーションミュージアムだが、現在ではすでに2005年に杉並アニメーションミュージアムがオープン、作家・プロダクション別のミュージアムも各地に散在する状況となっている。アニメ専門ではないが、フィルムを収蔵・管理する施設としては国立フィルムセンターもある。アニドウが自前のミュージアムにこだわる気持ちは分からないでもないが、貴重なコレクションの収蔵・管理・公開に関しては、別の方法を模索する事も検討した方がいいような気がする。
   

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