2014.1.11 K.Kotani>
日本アニメ学会西日本支部第9回研究会
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月刊近メ像インターネット
2014年1月11日
日本アニメ学会西日本支部第9回研究会
1月11日、大阪デザイナー専門学校において、日本アニメーション学会西日本支部 第9回研究会が行われ、アニメーション作家 和田淳氏を招いて、作品上映と講演が行われました。
和田淳氏は、2004年頃大阪教育大学在学時より独学で作品制作を開始、その後イメージフォーラムや東京芸術大学大学院、文化庁企画によるイギリス公費滞在などを重ねて作品制作を続けられ、2012年にベルリン国際映画祭短編部門で「銀熊賞」を受賞されています。
本日は、受賞作「グレートラビット」の他の作品上映と、それに合わせた制作についてのお話がありました。
最後の質疑応答では、基本的にはっきりとした絵コンテは作らず、大体のイメージで作りながら作品を完成に向けて行くが、プロデューサーのいるような作品では絵コンテは作る、作るが変わって行くという事と、個々の画面ではきっちりとしたイメージがあり、それに向かって納得の行くまで作る、出来た画面を観て納得できなければ作り直すという事が印象に残りました。
また、アニメート技術に関しては、特に専門的に学んだような事はないが、自分で画面を観て納得できるような動きになるように、自分の内面に基準をおいて作画されているとの事でした。ロトスコープの使用に関しては、「使った事はない」、
作画のシャープペンシルについては、線引き用は0.3mm、塗りつぶし用は0.5mmと使い分けられているとの事でした。
また、東京芸術大学大学院在学時やイギリス滞在時の事柄として、外部スタッフを使ってお金をかけてきっちり作る事によって得られる事柄が良く分かった、最近は学生でも自分一人で作ってしまう人が多いが、プロのスタッフと質の高い仕事をする、という事をきちんと体験しておいた方が良い、との話も印象に残りました。
なお、講演・上映終了後、中村武さんの2014年新作・「ヨーヨー」と、K.Kotaniの「奇人の跡」が上映されました。
次回2014年2月は、8日に大阪デザイナー専門学校で「世界アニメーション映画史講座」が予定されています。