<2014.9.02 K.Kotani>ショートアニメーション姫路2014 Doki!Doki!アニメ大行進


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2014年9月02日

ショートアニメーション姫路2014 Doki!Doki!アニメ大行進





 広島フェスの余韻もさめやらぬ8月31日、姫路文学館講堂・望景亭において、「ショートアニメーション姫路2014 Doki!Doki!アニメ大行進」が開催されました。
 今年もPeasより2プログラム、SCOPPより1プログラム、CALFより1プログラムの合計4プログラムを午前10時より午後4時10分まで休憩を交えながらたっぷりと上映。さらに、大河ドラマで沸く地元姫路のゆるキャラ、「かんべえくん」を使ったアニメワークショップも行われるという豪華な内容でした。


 主催の姫路シネマクラブは地元で永年の上映経験を持つベテラン軍団で、練達のスタッフによるイベント運営もぱっちりでした。


 望景亭で行われたワークショップ作品の上映風景。完成した作品は好評で、会場での試写では「もう一回」の声がかかりました。なお、募集要項では「10才以上」との事でしたが、もっと小さいお子さんも製作を楽しまれていた様子です。


 ただ、残念ながら観客動員は決して多くはなく、上映後の地元スタッフに聞いた所によると「そろそろと思って、チラシをお願いしている所に補充に行ったら、ほとんど減っていなかった」というようなお話もうかがいました。このチラシ中々良く出来ており、各地の自主アニメイベントの会場でもよく見かけたので、精力的に展開されていたとは思うのですが・・・
 この「観客が少ない」という問題、自主アニメ・アート系のアニメ上映ではずっと続いており、「自主上映に観客が一杯来た」というのは70年代から80年代にかけてのアニメブームの頃と、2000年代始めのアニメバブルの頃にしか記憶がありません。
 ただし、今年で15回となった広島フェスでは、一時はやや閑散としている時期もありましたが、最近は安定した入りが続いています。これは、見逃したら、二度と見れない作品(コンペで入賞しなかった作品とか、国別特集のマイナーな作品とか)が多いという点もあるかと思いますが、海外の、テレビでしか観た事の無い作家が会場の至る所をうろうろしている、という点も大きいかも知れません。また、広島に集う観客の多くが自分でも作っていたり、これから作ろうという方が多いだろう、という事も考えられます。初期の大会で、名誉会長の方が「作った事のある人は手を上げて下さい」と行ったら、会場の至る所から一杯手が挙がって名誉会長の方が大変喜んだ、というエピソードもありました。
 普通の劇映画の場合、観客は「観るだけ」で、製作側の人間ははるか離れた場所にいますが、アート系の短編アニメの場合、観客と製作者の距離は非常に近いか、ほとんどゼロ、というのが実情であろうと思われます。であれば、いっそ作家同士の交流をメインに持って来て、その様子を、「観るだけ」の方も含めた観客に見せて行く、という考え方も有るかもしれません。
 今後のアート系短編アニメーションの見せ方についても、いろいろと考えさせられるイベントでした。
 

姫路シネマクラブのシネマ窟の公式ページ


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